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インハウスデザイナーをやって学んだこと

私は2年間、某企業のインハウスデザイナーとして勤めていました。
そこで学んだことや感じたことを忘れないうちに書いておこうと思います。

▶︎インハウスデザイナーとは

「社内デザイナー」「企業内デザイナー」とも呼ばれ、専属デザイナーとして自社デザイン全般を担う。商品デザインだけでなく、WEBや紙媒体、名刺、会社案内、看板等、担当するデザインは多岐に渡る。

▶︎ インハウスデザイナーとして良かった部分・悪かった部分

たった2年間しか働いていないし、企業によって様々ですがいくつか挙げてみようかと思います。

【デザインに関わる業務の幅が広がる】
制作会社や広告代理店であれば「営業」「デザイン」「DTP」等、部門毎に分かれている業務もインハウスデザイナーは一通り「やっといて〜」と言われます。
業者との連絡調整、修正、大部数両面印刷、グッズ制作等。
これらの知識は少しでもあるとフリーランスになっても役に立ちます。
(たった1度でも)「やったことあります」の説得力は強い。

【スケジュールが立てやすい】
大体毎月作る媒体は決まっていて、納期も見えやすい。
「一気に終わらせてまとめて休みを取る」「毎日少しづつ安定したやり方」「予測した媒体のデザインをあらかじめ考えておく」ある程度自由なやり方でスケジュールが組めます。

【クライアントは社員全員】
好みも営業スタイルも1人1人が全く違うため、振り回されます。
Aさんが喜んでくれるデザインはBさんにとっては「は?」となる笑
デザインで万人ウケは無理です。時には嫌われる勇気も必要。

【いろんなデザインはできない】
好みや営業スタイル、ターゲットや使用場所が違うとはいえ、大元の目的は同じ。「かわいい×かっこいい」「親しみやすい×高級感」テイストの違いやバリエーションを出すことはできても、内容や目的は同じ。

【知識向上は自分次第】
フリーランスもそうですが、「正解」がないので、データの管理や効率の問題は自分で解決するしかありません。デザインの流行も自分でいち早くキャッチし、技術もいち早く身に着ける。
「調べる」も技術として大切です。

【好きなことを極められない】
紙媒体にかけるデザインの時間はごく限られたものでした。
その分、グッズ制作、新聞広告のノウハウや雑誌1面のレイアウト、SNSやホームページ、イベント運営、DTPの知識も身につけることができました。
そして、その中で改めて「紙媒体が好きだ!」と気付けることができたので、経験を積むことは無駄じゃないし、実際に得たものはたくさんあると思います。
むしろ、フリーを目指すならインハウスは勉強場として最高かも。

▶︎色々な知識を増やすか、1つの知識を極めるか

極端な言い方な気もしますが。
どちらも結果的には色々な人を幸せにする事には変わりないので、素敵な事だと思います。

良くも悪くも企業の裏も表も知り尽くせば、同じ制作物でも違うバリエーションを作れる豊富さ、スランプに陥った時の対処法も身についたと思います笑

そして、今、整体屋さん、マツエクサロン、ネイルサロン、美容室、理容室、お米等、様々なジャンルのクライアント様からご依頼を頂いています。
1つのクライアント様の裏まで覗くことはできませんが、良い面を余すことなくしっかりと伝えたいと思っています。

▶︎グラフィックデザイナーの業種

「インハウスデザイナー」「広告代理店」「出版社」「制作会社」等、グラフィックデザイナーが活躍できる業種は様々です。

1つの企業が合わなかったからと言って、「デザイナー」を諦めないでもらいたいです。

私は正直、インハウスデザイナーは向いていないな、と感じました。
ただ、それは「フリーランス」を志している時点でわかっていたようなもの。

フリーランスを志すのであれば、どんな企業での経験も必ず身になります。
でも、「デザイン」が嫌いになってしまっては本末転倒。

「辞め時」も大事です笑

間に誰か入ってもらうのはとても楽ですが、私は、やっぱりクライアント様と直接やりとりがしたい。
1件1件丁寧に作り込みたい。
クライアント様と一緒に作り込みたい。

グラフィックデザイナーの平均年齢は38歳前後といわれています。
センスや体力的なところもありますので、よっぽど強い気持ちがない限り、30代、40代からのチャレンジはお勧めできません。

という記事を見つけました。

確かに、受注してから打ち合わせに入り、打ち合わせ内容をまとめ、ラフ案を共有し、赤ペンを沢山入れて、修正内容や次回案をまとめる、同時に同じ業界のリサーチ、素材集め、最適な印刷業者の選定、見積もり等…
デザイナーと言っても、煌びやかなデザインをしている時間はごく僅か。実際は地味な積み重ねの多い仕事です。

「デザインが好きである」ということは大前提に必要な事なんだと思います。

フリーランスでも、どんな企業に居ても、そこだけは忘れずに、いくつになっても学ぶ気持ちを大事にしたいです☺︎

グラフィックデザイナーやってるおばあちゃんってカッコ良くないですか?

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