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サッカー通じ多文化共生

インドネシアの技能実習生
石巻選抜と親善試合

 水産業などに従事し、石巻地方で暮らすインドネシア人と日本人がスポーツで交流する初の「石巻国際サッカーフェスティバル」(国際スポーツ・文化ふれあいフェスティバル実行委主催)が28日、湊地区コミュニティ広場=石巻市大門町=で開かれた。インドネシア人のチームと、石巻サッカー協会の選抜チームが親善試合し、2―4で石巻選抜チームが勝利。終了後は両者がインドネシア料理を楽しみ、互いに親睦を深める姿があった。
 石巻地方には約1700人の外国人が暮らし、このうち技能実習生や特定技能外国人は約7割を数える。就業先の社員寮が多い同市湊地区にはインドネシアやベトナム、ミャンマーを母国とする外国人が多く、休日は同地区コミュニティ広場でサッカーを楽しんでいるという。

言語や文化の違いを超え、スポーツで交流を深めた

 そこで市民有志による実行委が石巻サッカー協会と協力し、親善試合を企画。インドネシア出身の技能実習生らは「ガルーダインドネシア」を名称とするチームを作り、ユニホームもそろえ、同協会選抜チームとの試合に備えてきた。
 開会式でソヨド・アブドゥル・フアッタ実行委員長は「スポーツを通した親善交流と多文化共生が目的。勝敗にこだわらず楽しんで」とあいさつ。試合は20分ずつ3回に分けた計60分とし、会場には実習生らが働く水産会社の同僚や地域の住民の姿も見られた。

 試合終了後は会場内でインドネシア料理を囲み、総勢約60人が仕事や趣味の話題で盛り上がり、国境を越えて笑顔を広げた。ガルーダインドネシアの監督兼選手のカシワンさん(33)は「とても楽しい試合で周囲も盛り上がってくれた。次はベトナムやミャンマーの人たちも加えて交流を広げたい」と語った。
 選抜チームの渡辺大輔監督(41)は「スポーツは言葉や文化の違いを超える。異文化を知る機会にもなり、こういった国際交流は今後も続いてほしい」と話していた。【渡邊裕紀】


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