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白球追う楽しみ再実感 スポ少活動も徐々に 練習場所確保など課題

 新型コロナウイルス対策を継続しながら日常を取り戻す動きが徐々に広がり、石巻地方のスポーツ少年団も活動を再開するところが出てきた。一方で練習の成果を試す例年の大会は多くが中止。当面の目標が見えず、練習場所の確保が難しい課題があるが、久しぶりの練習に汗を流した子どもたちはスポーツができる喜びを改めて実感していた。【熊谷利勝】

 軟式野球スポ少の石巻小レッドベンチャーズは、6日から練習を再開。依然として感染症拡大防止への配慮が求められる中で参加は強制しないが、2―6年の団員21人全員が練習場所に集まった。

 いつもの練習場所は石巻小学校の校庭だが、この日は旧北上川を渡った先の魚町西スポーツ広場。緊急事態宣言の解除で小学校の授業は再開するも、スポ少など地域の活動に校庭や体育館を開放することを見合わせているためだ。

スポ少再開(石小レッドベンチャーズ) (5)

グラウンドに駆け出す石巻小レッドベンチャーズ(6日、魚町西スポーツ広場)

 97日ぶりとなる練習の初日は準備体操などに時間を多く割き、その後守備や打撃の練習に汗を流した。練習前後は道具の消毒を徹底。自主的にマスクを着用する選手もいた。気温が高い時期からの練習再開となったため、こまめに休憩の時間を取るなど熱中症対策にも気を配っていた。

 「野球ができることがこんなに幸せだと改めて思う」と言うのは、チームをまとめる主将で6年生の平居明哲君(12)。これまでの3カ月は親に手伝ってもらいながらキャッチボールやトスバッティングといった自主練習もしたが、親がいないときは壁当てやバットの素振りのみ。「やっぱり一人の練習はおもしろくない」と張り切っていた。

 ただし、6年生にとって集大成の場になるはずだった大会の多くが中止。平居君は「悲しいが仕方ない。これから大会があれば、1試合1試合を大事にしたい」と前を向いた。

 目下の課題は学校が使えないこと。練習場所が借りられなかった7日は走ることが中心の活動になった。監督の熱海賢史さん(35)は「まずは野球ができるうれしさを感じてもらい、ゆっくりと目標を立てたい」と慌てない。運動不足が心配されたのは指導する大人たちの方で、外出自粛の3カ月間でも子どもたちは自然と成長。皆、以前よりもベース間を走るタイムが縮んでいたという。


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