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金港堂石巻店 閉店へ

最終営業は9月16日

 石巻市蛇田で平成10年から続く書店「金港堂石巻店」=本社・仙台市青葉区=が閉店することが14日、分かった。最終営業日は9月16日。閉店後は他業種に場所を貸し出すという。2階のテナントでゲームやカード類などを扱う「シーガル石巻店」は通常通り営業している。

 石巻市にはかつて大街道と立町に金港堂の店舗があったが、平成10年に2店を合併する形で蛇田に移転。延べ床面積約260平方㍍の店内で、教育図書やコミックを中心に常時10万冊ほどを取り扱っている。

9月16日に閉店する金港堂石巻店

 国内の出版業界は平成15年に2兆6千億円規模の市場だったが、この20年で半分以下の1兆1千億円に縮小した。インターネット通販の普及もあり、実店舗の経営は厳しい状況。金港堂石巻店の閉店は、業界の市場規模縮小に伴う経営不振が主な理由という。

常連客「あまりに痛手」

 週1、2回は足を運ぶという常連の齋藤勇人さん(55)=同市蛇田=は「あまりにも痛手」と落胆。「本だけは通販を使わないのがこだわりで、家から最も近い金港堂を1番利用していた。種類の豊富さから立町や大街道でもお世話になったので残念」と話した。

 金港堂は明治43年に仙台市内で創業。今年4月に本店が閉店した。同社の桜井和明支店統括部長は「震災で店舗が被災した際も支えてもらったため、地域のみなさんに申し訳ない限り。1日1日を大切に感謝を伝えたい」と話した。今後は、泉パークタウン店と大河原店で新たな事業展開を含めた経営の立て直しを図る考えだ。
【泉野帆薫】

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