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県産ホヤ出荷規制解除 女川、雄勝など3海域 きょうから水揚げ再開

 国の基準を超すまひ性貝毒が検出され、出荷の自粛規制が続いていた石巻市の追波湾、雄勝湾、女川湾、牡鹿半島東部の養殖ホヤに対し、県は6月30日、3週連続で規制値を下回ったことから出荷規制を解除した。北部4海域は同26日から水揚げを再開しており、これで県内全域の規制が解除された。1日は女川町の尾浦漁港でホヤの水揚げがあり、早速、石巻市内の加工場に運ばれた。漁業者は安心した表情を浮かべ、巻き返しに向けて作業に精を出した。【渡邊裕紀】

 ホヤ貝毒は、北部海域(気仙沼市から南三陸町)、中部海域(石巻市と女川町)の2海域で検出され、5月半ばから出荷を自主規制していた。県は貝毒に伴う出荷リスクを分散させるため、6月24日から3つあった検査海域を8つに細分化した。

 これまで中部海域となっていた追波湾、雄勝湾、女川湾、牡鹿半島東部は、細分化により追波湾海域、雄勝湾海域、女川湾と牡鹿半島東部海域の3海域に再編。旧中部海域は6月16日から規制値を下回り、30日の検査で3週連続となったことから県は出荷規制を解除した。

ホヤ出荷再開 女川尾浦漁港 (21)NOTE

漁船からトラックに移され、石巻市内の加工場に運んだ

 このうち女川町の尾浦漁港では、1日午前に水揚げしたホヤ約500キロがトラックに積み込まれ、加工場に向けて出発した。雄勝町水浜でも同日から水揚げが再開され、全国でホヤ生産量の8割を占める宮城県で、ようやく本格的な出荷が始まった。

 ホヤの販売を行う石巻市明神町一丁目の丸多喜水産(株)の奥田慶記部長は「水揚げが再開できて一安心した。これから例年通り石巻地方や関東方面の市場に出荷していくが、新型コロナウイルスの影響で飲食店を中心に販路が厳しいのも事実」と語り、再開を喜ぶ一方で社会情勢に不安も口にしていた。

ホヤ出荷再開 女川尾浦漁港 (25)NOTE

1カ月半ぶりに水揚げされたホヤ(女川町尾浦漁港)



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