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産学連携で練り物文化発展へ サバだし香る具材6点 「石巻レトルトおでん」誕生

 産学、異業種で構成する石巻フードツーリズム研究会の石巻おでん部会(平塚隆一郎部会長)は、宮城学院女子大学との連携で「石巻レトルトおでん」を生み出し、29日にいしのまき元気いちば=同市中央=で初の販売会を催した。これまで具材での扱いはあるが、ちくわ、大根など6点を1パックにした部会のオリジナル商品は初めて。サバだしのうま味が具材の味を引き立てており、買い物客の関心を集める上々の滑り出しとなった。【外処健一】

石巻おでん (2)

販売会を設けて新商品をアピールした

 石巻市での練り物の歴史は明治27年から始まり、スケトウダラの大量水揚げに伴って高品質の焼きちくわ、揚げかまぼこなどが製造され、全国屈指の「練り物のまち」として名をはせた。震災後は生産中止もあり、同研究会は石巻おでんプロジェクトを立ち上げ、同部会を中心に技術を継承している。

 おでん種の「ぼたん焼ちくわ」は、石巻が発祥の地とされ、プロジェクトでは伝統を守る取り組みや開発を展開している。こうした地域資源を飯野川に伝わるサバだしで煮込んだのが「石巻おでん」。宮城学院女子大が歴史的背景を調べ、味などに意見しながら産学連携で温めるだけのレトルト版を作った。

石巻おでん (1)

味がしみ込んだ「石巻レトルトおでん」

 石巻レトルトおでんの参画企業はカクト鈴木商店、島金商店、富士國物産、水野水産、山形屋商店、山徳平塚水産の市内6社。1パックに、ぼたん焼きちくわ、三陸産結びコンブ、豆富天(揚げかまぼこ)、鯖(さば)天、大根、玉子の6点が入り、価格は400円。

 初回は1千パック作り、販売会で90パックを売り出したほか、試食や製品を進呈するじゃんけん大会、いしのまき観光大使の萌江さんのミニライブも開いた。試食した後、すぐに購入した大崎市の遠藤徹さん(53)は「ちくわがモチモチしていておいしい。サバだしの香りも良い」と話していた。

note用 試食用のおでんもあり、味を確かめて購入

試食用のおでんもあり、味を確かめて購入

 平塚部会長は「パック化することで典型的な石巻おでんの形ができたと思う。だしの風味が広がる地元おでんを楽しんでほしい」と話していた。製品は同いちばで扱うほか、部会では販路拡大に向けた方向性も探っていく。


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