ズーム安堵ワイド事情認めて働きやすく

ペット同伴出勤導入 事情認めて働きやすく

働き方改革で就業時間や労働環境が変わる中、総合建設業、不動産業の(株)牡鹿観光(阿部忠昭社長)=石巻市門脇=では、犬や猫などと出社する「ペット同伴出勤」を認め、従業員から好評だ。職場環境が和み、利用客とのコミュニケーションも弾んでいる。飼い主にとっては留守中の心配もなくなるなど、職場づくりの新しいスタイルがあった。(外処健一)

不動産部門である同社賃貸部のロビーにゲージがあり、犬とウサギの姿が見えた。佐藤好恵部長(52)は「犬2頭、ウサギ2匹、ハト20羽、カメ4匹、ヒヨコ5羽、メダカたくさん、冬眠中のスズムシ。後は北村にある関連施設の敷地にヤギが10頭」と話す。「動物園か」とツッコミを入れたくもなる。

そもそも阿部社長が動物好きで、昔はヤギなども職場に連れてきていた。佐藤さんも小型犬の狆(チン)と暮らす中、平成21年から職場に連れてくるようになった。切っ掛けは同社で15年から開始した「ペットと暮らせる賃貸物件」。市内不動産の先駆けでもあり、今や200件を超す管理物件を有す。

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社屋の一室はハト小屋。イベントなどで活用され、しっかり戻ってくるという

職場にペットがいる光景は、愛犬、愛猫と暮らすことを願って不動産窓口を訪れた飼い主の心に安心感を届けた。佐藤さんの狆の名前は「若(わか)」。愛くるしい姿は社員の表情も緩め、癒やしの効果につながっていた。

「若」に友達が増えたのは今年2月。3年前に入社した本田瑞江さん(48)がロングコートチワワを飼っており、佐藤さんの「ここに連れてきたら」の一言でワークスタイルが変わった。もちろん、同社ではペット同伴出勤を認める前に従業員アンケートを取り、全員が快諾。動物アレルギーがなかったことも導入を後押しした。

本田さんのチワワの名は「ちょこ」。同伴出勤前までは高校生の長女、次女が部活などで帰宅が午後8時、本田さんも同6時ごろであり、日中に構ってくれる人はいなかった。寂しがりの性質と誰もいないストレスから、体調を崩すこともあったという。

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チワワの「ちょこ」は、2月入社のウサギに興味津々

「職場でほえないだろうか」。本田さんに不安もあったが、「ちょこ」は至っておとなしく、無駄にほえることもない。むしろ、来客があれば数回ほえて教えてくれる。職場内では主にゲージの中にいるが、たまにカウンター周辺を散歩。その姿は利用客からも好評という。

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「ペットも従業員です」と語る佐藤さん(手前)、「仕事が充実しています」と話す本田さん(奥)

「近くにいることで安心感があり、私も仕事にも集中できる。理解ある皆さんに感謝です」と本田さん。ウサギ、カメ、ヒヨコなど会社で飼っている小動物の世話は、従業員が交互に行う。「ペットも従業員」。これが会社の方針だ。

犬に従業員証明書発行

佐藤さんは「ちゃんと従業員証明書もあるんですよ」と語り、差し出した。従業員名は佐藤若。写真が添付され、生年月日も記載されている。「私たち従業員と全く同じものです」と言葉を続けた。

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隣で犬が寝ていても従業員の集中力は変わらず。時が過ぎれば慣れになる

◇  ◇
ペット同伴出勤に限らず、育児や介護、通院など諸事情を抱えて就労時間や勤務形態に悩みを抱えている人は少なくない。互いを理解することが何より大切であり、ペット同伴出勤もその一つであると考える。

企業環境はそれぞれ異なるが、そこで働く人たちの事情に向き合い、手を差し伸べることが働きやすさにつながっていく。「働き方改革」とは、一人一人の事情を会社が認めてあげることが始まりかもしれない。

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