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運動、合唱もマスク姿 「卓球はシングルで」「震災に比べれば…」

 緊急事態宣言の解除後、石巻地方では臨時休館していた公共施設が順次再開。6月1日からはほとんどの施設が開き、文化芸術団体の拠点となる石巻市内の公民館は一足早く先月28日から全11施設で利用の受け入れを始めた。久々の活動を喜ぶ声がある一方、感染対策による活動の制限もあり、多くの団体は思い通りにいかない現実に直面している。【近江  瞬】

 石巻婦人卓球愛好会は2日に活動を再開し、会員25人のうち20人が約3カ月ぶりに顔を合わせた。競技中もマスクを着け、鈴木英子会長(78)は「これまではダブルスが中心だったが、これからはシングル。休憩中も間隔を開けている。マスクをしながらの競技は大変でも、まずは再開できたのが一番」と語った。

 また、折り紙を楽しむ「折りづるの会」は10日からの再開を予定。志村良子代表(69)によると休止中にも課題を出して連絡を取り合っていた。「相当暇だったのでしょうね。自粛生活で年をとったようだった。課題を渡すとみんなうれしそうで」と振り返る。再開後は時間を短縮し、会場もひと回り広い部屋を確保。それでも「年配になるとただでさえ声が聞こえにくいのに、マスクを付けたらなおさら」と心配を口にした。

 音楽団体は一層難しい状況で、石巻市民交響楽団は7日に活動再開するが、マスクを着用しても演奏できる弦楽器のみでスタートする。団員の足立弘子さん(57)は「先行きが見えないけれど、市の複合文化施設が開館する来年への準備期間と考えたい。震災後に比べれば、建物もあり人もいるのだから」と前向きに考えた。

新型コロナ地域の声 公民館活動再開

マスクの着用など感染対策を講じた上で活動が再開し始めている

 石巻地方の小中高校生が所属する石巻ジュニアジャズオーケストラは、マスクを外さなくては演奏できない管楽器が主なだけに19日までは活動を見合わせる。夏以降のトリコローレ音楽祭や定禅寺ストリートジャズフェスティバルも中止が決まる中、山田元郎前代表(65)は「発表の場があるのと無いのではやる気も違う。今は学校の部活動の方針に準じる形で再開に向けるしかない」と悩む。

 合唱団体の石巻メンネルコールは、当面はマスク着用の上での活動。代表を担う石巻文化協会の西條允敏会長(76)は「一度落ち込んだ気持ちを立て直すのは大変だろうが、伝統や文化はこれまでも逆境を乗り越えて続いてきた。文化芸術の力を信じて進みたい」と前を向いた。


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