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心安らぐ鉄道のある風景

石巻駅111周年記念 初のフェス 1並びの11日開幕

 「鉄道フェス2023イン石巻~見て、学んで、語る~」が11日に石巻市中央二丁目の震災伝承施設「絆の駅 石巻ニューゼ」で始まった。鉄道写真家の武川健太さんや鉄道愛好家の長谷部雅人さんが撮影した写真のほか、石巻日日新聞が伝えてきた石巻駅と鉄道関連の記事などをパネルで紹介している。12月17日まで(午前11時―午後4時、月・木曜休館)。2、3日にはトークショーも行う。いずれも入場無料。

 大正元年に開業した石巻駅が111周年、東日本大震災翌年に開館した石巻ニューゼが11周年を迎えたことから「1並び」の11月11日に開幕した。石巻駅、仙石線、石巻線、貨物などの現在の姿、1世紀を越す地元の鉄道の歴史などを伝えるイベントで、歴史関連はニューゼに隣接する人とアーカイブの「交差点」で今月17日に始まる。

 ニューゼ2階の会場には、武川さんと長谷部さんの作品を中心に展示している。武川さんの作品は約40点。このうち震災後初めて催された昨年の女川みなと祭りの写真は、駅舎をバックに咲く大輪の花火が色鮮やかに写しだされている。

武川さん(奥)から説明を受ける来場者

 また「石巻行きの始発駅はヤンゴン中央駅」という写真は、武川さんが訪れたミャンマーで偶然見つけた旧石巻線車両。「石巻行」と表示し、以前と変わらないデザインで利用されていた。「遠く離れた地で活躍している姿に涙があふれた」とコメントしている。

 長谷部さんは貨物を中心に20点を出展。「夕闇と共に終着へ」は、夕焼けと日本製紙の煙突群を背景に、貨物列車が石巻港駅に向かう風景。ほのかな光に浮かび上がる市街地が、ありふれた日常の美しさを伝える。石巻日日新聞は仙石線旧駅舎の写真や今年20周年を迎えたマンガッタンライナー、震災後に全面復旧した仙石線に関する新聞などを展示した。

 初日から多くの人が足を運び、武川さんから撮影当時のエピソードなどを聞いて関心を深めていた。長年の鉄道ファンという石巻市門脇の60代男性は「石巻でこのような写真展は今までなかったので、楽しみにしていた。写真もすばらしい。来月のトークショーにはぜひ参加したい」と目を輝かせていた。
【平井美智子】


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