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地元海の幸 食べて安全PR

石巻市幹部と市議会 風評払拭し消費拡大へ


 東京電力福島原発処理水の海洋放出に伴う風評を払拭するため、石巻市の幹部職員と市議会は27日夜、石巻グランドホテルで地元の水産物の安全性をPRする食事会を開いた。水産都市である市の産業への風評は大きく、市は引き続き国などに対処を求めていくほか、さまざまな機会で石巻産食材の安全性を周知していく。
 「安全安心な石巻の食材をPRする集い」と題した食事会で、市と議会側から合わせて約50人が自費で参加。齋藤正美市長はあいさつで「海の幸を堪能いただき、おいしさと安全性をPRしてほしい」と呼び掛け、安倍太郎議長は「市と基盤産業に影響する諸問題を議論してきたが、安全のPRと消費拡大は最優先課題。両輪となって進みたい」と述べた。

地元食材の料理を味わう齋藤市長と安倍議長


 並んだのは石巻産でそろえた特注料理で、ホタテやタコをサラダ仕立てにした冷菜、ホヤの酢の物、地元銘柄の宮城サーモン、金華しめさばといった刺身の盛り合わせなど。最初の30分はアルコールを控え、料理を味わうことに集中した。参加者は地元産の水産物が安全でおいしいのは言わずもがな、といった様子で頬張り、報道のカメラに笑顔を見せていた。
 処理水の海洋放出は先月24日に開始。高い専門性を持つ国連機関の国際原子力機関は「人や環境に対する放射線の影響は無視できるほど」としているが、市内の水産業でも風評被害はあり、輸出取引の停止や中国による日本産水産物の輸入停止による価格の下落、さらには加工場の稼働率低下で資金繰りが厳しくなっているという。
 処理水の問題は市議会定例会の議員一般質問でも相次ぎ取り上げられ、国による風評被害対策は十分でないとして、市としての対応もただされた。参加した市議は「安全性は大丈夫だとしても、安心はどう伝えればいいか分からない。だから誰かがこうやって食べて見せることは必要」と取り組みを歓迎した。
 【熊谷利勝】


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