vol.3 石巻市市民生活部環境課
世界中の人々が安全安心に暮らす社会を作るため必要な17の目標を掲げたSDGs(持続可能な開発目標)。中でも自然資本や環境保全は他のゴールの土台と言っても過言ではなく、森林破壊や海洋汚染、気候変動など環境問題の解決は、未来を考える上での喫緊の課題と言えるでしょう。自然環境を守り、未来につなげるために、私たちにできることは何なのでしょうか。今回は環境保全の視点から、石巻市が取り組むSDGsを紹介します。
近年は、特に地球温暖化や資源の枯渇、物質循環や生態系の撹乱などにより影響を受ける範囲が地球全体に広がり、将来の世代に深刻な影響を与えかねない問題となっていることは知られていますが、その影響がすぐには目にみえにくく、様々な要因が複雑に絡んでいるために、自分たちが環境問題の被害者であり加害者でもあることを意識しないまま生活しています。
現代人のライフスタイルや、それを支える大量生産、大量消費、大量廃棄を前提とした社会経済システムの見直しを図るためにも、今を生きている私たち一人一人が環境問題について正しい知識を持ち、正しく行動する「環境市民」として生活していくことを強く求められていると思います。
実践されている方も多いはずですが、まずは”省エネ”ですね。温室効果ガス排出量の中でも割合の大きい電気やガスなどの燃料の使用を抑える取り組みを実践することで、排出量の削減が図られます。具体的には「不必要な照明はこまめに消灯する。」、「冷暖房使用時は温度調整を細やかに行い、温度管理を徹底する。」等、省エネは環境にも家計にもやさしい取り組みなので徹底してほしいです。
また、”廃棄物の減量とリサイクルの推進”にも意識して取り組んでいただきたいと思っています。「生ごみは水を絞ってから捨てる。」、「リサイクル可能な製品を優先的に購入し、廃棄するときは分別収集を徹底する。」等ですが、誰でも取り組める環境保全行動は普段の生活の中にたくさんあります。
石巻市は太平洋に面し日照時間も長いことから、太陽光発電に適した地域特性を活かした再生可能エネルギーの普及を推進する事業として、「太陽光発電システム」、「定置用蓄電池」及び「エネルギー管理システム」を設置した個人又は事業者に対し補助金を支給する事業を行っています。
また、本市もカーボンニュートラルに向け、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく、市民・事業者・行政の具体な行動や目標を提示した「地方公共団体実行計画」の策定を計画しておりますので、今後、皆様のご意見を聴取する機会があった際はよろしくお願いします。
石巻市に住んでいるのに、この環境のすばらしさに気が付いていない方が多くいると感じています。東北一の大河である北上川により広大な穀倉地帯が形成され、とても美しい田園風景が広がり、河口域には雄大に広がるヨシ原があります。そして、三陸・金華山沖は親潮と黒潮がぶつかる潮目にあたり、特に漁獲種が多い優良な世界三大漁場の一つと称され、沿岸の海は生き物の宝庫であり、ホタテ、カキなどの養殖に適した環境となっています。
また、本市東部をかたちづくるリアス式海岸は特有の変化に富んだ地形であり、海と山が織りなす景色はとても美しく、以前はイヌワシの繁殖地として知られた翁倉山など、牡鹿半島から北上山地へと峰々が連なり、本当に豊かな生物多様性を形成しています。
まずは、自分たちの身近な環境のすばらしさを改めて知っていただき、将来にわたり自然の恵みを得るため、持続可能な利用を考え、その自然の恵みを将来につなぐための環境保全活動を推進していきます。
石巻市は、SDGs推進に賛同する団体等を「いしのまき圏域SDGsパートナー」として登録し、連携した普及啓発に取り組んでいます。今回は一般社団法人石巻海さくらの取り組みを通じて身近な「SDGs」について考えてみたいと思います。
石巻海さくらは「愛する海と浜の掃除をしよう!」を合言葉に、東日本大震災後の平成24年から毎月1回、石巻市と女川町の海岸でボランティア的なビーチクリーン活動などを継続している団体です。
代表の宮城了大さんは、「私は海が好きなのでビーチクリーンを続けていますが、SDGsには環境保全以外にも多くのテーマがあります。各々が自分の好きな分野で自分のペースで取り組むべきと思います。大事なのは『一人の百歩より、皆の一歩』。皆でSDGsを知り、考え、行動することが未来につながると思います」と話していました。
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