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人出も大入り大漁まつり

市場に3万6千人


 石巻市で水揚げされた魚介類や水産加工品を一堂に集めた「第34回いしのまき大漁まつり」(同実行委員会主催)が15日、石巻魚市場で開かれた。会場は商売人と客とのやりとりで活気づき、市場の買受人気分を模擬体験できる恒例の鮮魚競りや5年ぶりに行われた鮮魚すくい取りといった催しが盛り上がった。雨にもかかわらず、昨年より4千人多い約3万6千人(速報値)が訪れた。
 水産都市・石巻の新鮮な魚介類と高い技術で作られる水産加工品を広く紹介し、消費者へ日ごろの感謝を示すまつり。約80業者が出店し、「最も長い魚市場」としてギネス世界記録に認定された場内外に軒を連ねた。
 海の幸が奉仕価格で提供され、切り身やワカメなどの詰め放題の売り文句が購買意欲を刺激した。石巻市の友好都市である茨城県ひたちなか市、山形県河北町、山口県萩市の物産が並んだほか、青果物や農産加工品、軽食販売の店もあった。
 まつりではさまざまな催しもあり、鮮魚競りには抽選に当たった100人が買受人気分を味わった。タラや毛ガニ、カツオ、ドンコといった旬の食材が出品され、スルメイカを競り落とした石巻市三輪田の日野とくえさん(65)は「初めて参加したが、シーンとなったときにジャンプしてアピールした」と喜んだ。

盛り上がった恒例の鮮魚競り

自慢の海の幸 感謝価格で


 鮮魚すくいは先着80人限定。水槽にたも網を入れ、ひとすくいで取れたイナダやイシモチ、アジを持ち帰った。涌谷町の辺見政美さん(43)は「整理券を手にするため午前6時に並んだ。カニも入っていた」と満足。父と祖母と来た蛇田小6年の土方野々華さんは「大きい魚も取れた。白身の魚が好き。海の幸が豊かな石巻を自慢したい」と笑顔だった。

 実行委の須能邦雄会長は「(震災後の)新しい市場で初めて雨の大漁まつりになったが、屋内に多くの人がとどまり、広さを有効に活用できた。改めて石巻の水産物に根強いファンがいることが分かり、商売をする人の安心感にもなったと思う」と話した。
【熊谷利勝】



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