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トンボ食べ空腹しのぐ〔石巻市北村・私設資料館〕
地域の高齢者団体訪問
石巻市北村の自宅で私設平和資料館を開く佐々木慶一郎さん(76)宅を2日、地元の高齢者団体「小崎ゆいの会」(渋谷敏子代表)が訪れた。学童集団疎開から80年となる今年、同館には関連資料が並ぶ。当時をよく知る来場者たちは、展示物や佐々木さんの解説に触発されるように、記憶を手繰り寄せていた。
訪れたのは70―90代の15人で、いずれも地域有志によるデイサービスの利用者。新聞などを介して資料館の展示を知った。
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学童集団疎開は、太平洋戦争の末期に米軍による本土爆撃に備えて行われた。佐々木さんは、県内では29の自治体で1万1千人以上の児童を受け入れたことを説明。同市の北村小でも65人の児童を迎えたという。
戦時の記憶手繰り寄せ
食料に乏しかった当時、子どもたちはコメの代わりにじゃがいもを食べた。空腹をしのぐのに、トンボや花の蜜、水あめが含有する絵の具までをも口にしたという。「食べ物はうんと苦労した。トンボは虫眼鏡を使って半焼けにするとうまかったそうだ」と佐々木さん。戦後、身寄りのない戦災孤児が靴磨きをなりわいとしていたことにも触れた。
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前谷地小の児童だった沖山利さん(90)は「仙台駅前のように多くはなかったが、石巻駅前でも靴磨きをする子どもの姿を見かけた。幼かったがよく覚えている」と回想した。
和渕小に通っていた池田よし子さん(89)は「食料品はことごとく政府に持っていかれ、とにかく食べるものがなかった。じゃがいもなどお腹にたまるものを自給自足して過ごした日々を思い出す」と話した。
佐々木さんは、7月上旬―8月上旬に戦後79年終戦特別企画展「戦争と教育」を開催する。戦時中の学生服や児童の集合写真、防空頭巾などを展示予定。【泉野帆薫】
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