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知事に避難路整備要望 須田女川町長 原発再稼働巡り姿勢問う

 東北電力女川原発2号機の再稼働を巡って女川町の須田善明町長は6日、原子力防災で最重要となる避難道路の整備などを求める要望書を村井嘉浩知事に提出した。須田町長から防災対策を問われた村井知事は「課題がある場所から少しずつ解決していく」と前向きな姿勢を見せる一方、県単独での財源確保の難しさも強調し、国に対して積極的に働きかけていく考えを示した。【山口紘史】

 須田町長はこれまで、再稼働是非の判断材料で
①原発の安全性
②町議会の決定など地域理解
③避難計画など防災対策の妥当性
④東北電力の事業姿勢

―の4点を挙げてきた。

 特に③は町議会でも賛否双方から、不安や充実を求める声が出ていた。須田町長はこれを踏まえ、避難道路の整備に対する県の姿勢や意思を確認するために県庁を訪れた。

note用 知事(右)と会談し、原子力防災に対する姿勢を伺う須田町長(左)

須田町長から村井知事に要望書が手渡された

 要望書では、道路インフラの管理はほとんどが県と国であり、県は国と共に主体的に推進する必要があると指摘。須田町長は「『予算が付けばやる』の姿勢は不安と不信を招きかねない。原子力防災対策を継続、着実に推進してほしい」と求めた。

note用「課題がある場所から少しずつ解決していく」と前向きな姿勢を示した村井知事

 村井知事は「避難道路への不安は県議会でも指摘されており、不断の見直しを必ず行う」と断言。一方で「道路整備は200億円規模となるため、県単独予算では難しい。国にも要望していく」と答えた。

 会談後、報道陣の取材に須田町長は「考えはしっかり理解してもらえた」と一定の評価をし、村井知事も「対策への姿勢は示したつもり」と述べた。

note用「原子力防災対策を継続的かつ着実に推進する県の姿勢が求められる」と強調した須田町長

 また村井知事は再稼働の前提となる地元同意の判断時期で、9日に実施する市町村長会議の意見と、その後に行う石巻市、女川町の首長との3者協議を踏まえて決めることを改めて強調。「25日開会予定の県議会定例会前に判断することもあり得る」と示唆した。


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