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100年フードに「石巻焼きそば」

文化庁 多様な食文化継承

 文化庁が認定し、世代を超えて受け継がれる食文化「100年フード」に本年度、石巻市で食べ続けられている「石巻焼きそば」が選ばれた。これからの発展性を見込まれ、100年の歴史を目指すローカルフードに評価された。一方、都内であった「第2回100年フードサミット」では、桜坂高校の生徒2人が昨年度100年フードとなった「ほや雑煮」をPR。2年連続の認定であり、石巻の食に全国から注目が集まっている。

「認定を弾みに全国に名を広めたい」と話す木村会長

 石巻焼きそばは、昭和初期に中国人の営んでいた市内の食堂で出された「焼麺」がルーツという。それが徐々に伝わり、昭和20年代には現在の焼きそばの原型ができた。二度蒸しの茶色い麺を使っており、だし汁を吸わせてうまみを凝縮しているのが特長だ。

 伝統継承と普及を目指す石巻茶色い焼きそばアカデミー(木村均会長)では、ご当地グルメの祭典「B―1グランプリ」に出場するなど、地域内外に石巻焼きそばを発信。昨年6月に仙台市であった鉄板会議にも参加してきた。今回は市の推薦で100年フードに応募。「未来~目指せ、100年!~」の部門で認定を受けた。

 木村会長は「石巻焼きそばを次代に継承するため、これからも広く発信したい」と話していた。市内では約15店舗が石巻焼きそばを提供しており、認定を生かしたPRや連携を強めていく考えだ。

「ほや雑煮」に続いて認定

 一方、ほや雑煮はホヤをだしに使った正月料理で昔から食されてきた。令和4年度に100年フードに認定され、桜坂高校家庭クラブでは、伝統食を伝える活動を推進。それが評価され、文化庁主催の「第二回100年フードサミット」に出席依頼があった。

サミットでほや雑煮をプレゼンした佐藤さん(左)と西大條さん

 発表したのは、家庭クラブの西大條奏音さん(2年)と佐藤優羽さん(同)。これまで市や観光協会、漁業者と連携し、ホヤの殻むき体験やほや雑煮の振る舞い、校内PRを展開しており、こうした実績をフードサミットで紹介した。

 西大條さんは「発表を通じてホヤという食材を広く知ってもらえた実感があった」と話す。佐藤さんも「都心ではほとんど認知度のないホヤだが、来場者から『分かりやすい説明だった』と評価を受けた」と喜んだ。

 2人とも4月から3年生となり、家庭クラブの活動も残りわずか。これから地域の飲食店との連携や、アレンジメニューの開発を予定しているという。
【渡邊裕紀】

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