栄養豊富な〝藻〟給食
児童「おいしい」と高評価
イービス研究所と石巻市教委
食料資源としての可能性を秘めた植物プランクトンを研究、培養する㈱イービス藻類産業研究所(寺井良治社長)=石巻市十八成浜=は14―15日、石巻市教委と協力し、市内の全小中学校に藻を使った給食メニューを提供した。衣に藻の一種である「ナンノクロロプシス」を混ぜ込んだ笹かま揚げが出され、子どもたちがその味を確かめた。同研究所は藻を食す文化の普及にも取り組む中、今後も給食への提供や新たなメニューの開発に力を入れていく。
同研究所は平成30年に培養事業を他の企業から引き継ぎ、研究を進めてきた。栄養価の高い藻を大量に育てることで、新世代の食料として普及させるのが目的。巨大なプールで培養しており、気温や日照時間、海水の確保など石巻市は藻を育てるのに最適な環境という。
海洋性プランクトンのナンノクロロプシスは、EPA(エイコサペンタエン酸)などの健康成分が含まれ、非常に栄養価が高い。これまでは養殖用のエサやサプリメント、健康食品の素材として使われてきた。藻給食の提供は、同社が今年6月に静岡県袋井市で実施しており、好評だったことから地元の石巻市での提供が決まった。
15日は石巻小学校でも藻給食が出され、寺井社長は「藻はとても栄養があって頭にも体にも美容にも良い。未来の給食を一足早く味わって」と児童に呼び掛けた。児童は「おいしい」「もう一個食べたい」と高評価で、佐藤新君(3年)は「普通の笹かまと違い、甘みを感じた。おいしかったので、また違う藻給食を食べてみたい」と話していた。
寺井社長は「ナンノクロロプシスはアオサに近い味で、みそ汁に入れてもおいしい。知名度を高め、これから家庭の食卓にも藻を使ったメニューが出てくるような未来を目指せれば」と期待を込めていた。【渡邊裕紀】
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