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渥美市政 正念場の2期目 東松島市 定住、交流人口拡大へ

 任期満了に伴う東松島市長選は、現職の渥美巖氏(73)が無投票再選し、市政の継続が決まった。新型コロナ禍で地域経済は日々疲弊しており、継続的な支援を望む思いも無投票に表れた。市は本年度から独自に作り上げた総合計画を羅針盤に各種施策を進めている。人口減少社会で自治体間競争は始まっており、魅力ある定住・交流・活動人口の拡大に向けて施策の実行が求められるため、手腕が試されるのは、むしろ今後の4年間と言える。【横井康彦】

 渥美市長は旧矢本町役場職員を28年、県議会議員を22年務めた経験が生き、平成29年の市長選初当選からスムーズな行政運営にあたることができた。持ち前の行動力と国や県との太いパイプを武器に、スピード感を持って実績を残し、震災復興事業はハード面の整備がほぼ完了した。

 国の関係では、被災地として最初にSDGs未来都市の選定を受け、東京五輪の聖火到着地を松島基地に誘致。防衛省事業を積極的に活用し、矢本海浜緑地パークゴルフ場のクラブハウス、東松島消防署を整備した。

 現在も老朽化に伴うコミュニティセンターや学校校舎の大規模改修、建て替えなども進む。県と連携し、都市計画道路矢本門脇線や関連する定川復興大橋も工期内に仕上げ、松島自然の家の移転新築も実現させた。

 並行して人口減少対策や地域活性化事業も幅広く展開。定住人口の拡大に向け、圏域初となる全寮制の私立高校を誘致したほか、工業団地への企業誘致も進め、雇用者を4年間で約500人増加させた。子育て環境の充実にも取り組み、午後8時までの延長保育が可能な民間の私立保育園誘致、18歳までの医療費無料化、放課後児童クラブの新設と預かり時間の延長を図り、若年層への魅力づくりにあたった。

 交流・活動人口の各課題に向けては、宮城オルレ奥松島コースやパークゴルフ場、鷹来の森運動公園、奥松島運動公園などの施設を有効活用し、地域内外の大会誘致やイベントで誘客してきた。圏域活性化では三陸道上り線矢本パーキングエリアと周辺の土取り場を活用した道の駅構想にも取り組んでおり、令和5年秋の完成に向け、庁舎チームを設けて国と調整している。

 高い発信力も相まって順調に見える行政運営だが、課題も少なくない。誘致した私立高校は、2年目を迎えたものの、認知度不足などから定員を満たしていない。定住に必要な宅地も安価なものが少なく、ターゲットである若年層が求めやすい価格帯の宅地を確保するには、市街化区域の拡大が欠かせない。震災後に整備した施設の維持管理費も長期的に市財政にのしかかる。

 震災後に防災集団移転促進事業で市が買い上げた土地も未利用のものが全体で42ヘクタールに上る。野蒜地区の未利用地は「令和の果樹の花里づくり構想」として観光果樹園化し、交流人口拡大の一手としていくが、残る未利用地の中には虫食い状態のものもあり、土地の交換に時間を要す。

 渥美市長は「スピードと結果を求めた1期目だったが、2期目はじっくりと対応が必要なものにもあたりたい」と話す。人口減少対策の新施策で「市内に職場を持つまたは持っていた人が戻ってくるなら、移転移住補助のような支援策も議会と相談したい」とアイデアを出した。

 市長の無投票再選に対し、市議選は元職と新人計5人が加わった。議会との関係性について「市議は地域や団体の代表。これから政策に対して一般質問などで意見をいただくことになる。声なき声に耳を傾け、光が必要な人に光を当てるのが政治。決断と実行で頑張りたい」と語っていた。


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