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石巻保健所に聞く 新型コロナ対策の基礎知識 完 【運動、栄養、睡眠が大切】

 ―「なるべく外出せずに自宅で過ごす」ということから、とくに高齢世代の健康への影響が心配されます。解消策は。

 高齢者の場合、「動かない」(生活が不活発な)状態が続くことにより、心身の機能が低下して「歩くことや普段の生活動作が行いにくい」「疲れやすくなる」等の虚弱の進行が懸念されます。また、転倒などを予防するためにも、日頃からの運動が大切です。

 気軽にできる運動としては
▽人混みを避けて一人や限られた人数で散歩する(少人数の場合は距離をとる)
▽家の中や庭などでできる運動(ラジオ体操、スクワットなど)を行う
▽家事(庭いじりや片付け、立位を保持した調理など)や農作業などで身体を動かす
▽座っている時間を減らし、足踏み体操やストレッチなどを行う―などです。

 また、免疫を低下させないためにしっかり栄養をとること、口腔内の健康を保つこと、十分な睡眠をとることが大切です。

 食事は、3食欠かさずに食べること、「主食」「主菜」「副菜」をそろえてバランス良く食べることがポイントです。しっかり噛んで食べ、食後や寝る前には歯磨きや義歯の手入れを行いましょう。十分な睡眠をとり、生活リズムを崩さないように心がけましょう。

 ―「人との接触を減らす」ことも求められますが、人々の孤立が進み、精神的なリスクも懸念されます。

 孤独を防ぎ、心身の健康を保つためには、人との交流や助け合いが大切です。しかし、感染予防には、なるべく人と会わないようにする必要があります。
そうした中で
▽家族や友人と電話で話す
▽家族や友人と手紙やメール、SNSなどを活用し交流する
▽買い物や移動、体調が優れない時など、困ったときに助けを呼べる相手を考えておく

などできることをしましょう。

 ―災害公営住宅の集会所などでの活動やお茶っこのみを楽しみにしている人も多くいます。今は中止しなければなりませんか。

 せきなどの症状がある人や体調が優れない人は、参加を控えましょう。会場の換気などをこまめにし、風通しの悪い空間は避けてください。また、密度が高くならないよう近距離での会話に注意し、飲食前、トイレの後、帰宅時などはこまめに手洗いを。せきエチケット(マスク着用等)をしてください。

 ―地域の感染拡大を防ぐために石巻保健所が担う役割は。

 医療機関の調整とともに、必要な方にはPCR検査を速やかに実施できるように調整しています。何らかの症状はあるものの、新型コロナウイルス陽性者との濃厚接触が特にない場合は、まずは地域の医療機関で診察していただく場合が多い現状ですが、常に陽性者が出た場合に備えています。

 そして、陽性者が出た場合には、感染力がある期間に誰と接触したかを調べる〝接触者調査〟を行います。調査結果をもとに接触頻度によってPCR検査を実施するか、潜伏期間中(14日間)健康観察(体温測定・体調確認等)をしてもらうかを判断します。

 ―住民への呼び掛け等を改めてお願いします。

 不安な日々が続き、身体的にも精神的にも大変な思いをされている方も多いと思います。ウイルスは目に見えないため、いつ・どこで感染拡大するか分からない状況が続くことが予想されます。そのため一人一人が密閉・密集・密接の「3密」を避けること、手洗いやせきエチケットを徹底する必要があります。是非今後もご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

【平井美智子】


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