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初めまして。私のこと教えてください。

先日、人生で初めて「占い」を経験してきました。
星占いは好きだし、カードを引いたり気学を学んでいる友人がいるし、全くの未経験とは言えないかもしれませんが、お金を払って占ってもらうということは初めて。

偏見に満ちていますが、なんだか占い師さんってものに不信感を持っていたのです。

それが、あっけらかんと覆された…というのが今回のお話。


よしもとばななさんの作品が大好きなので、ばななさんのエッセイ等に出てくる「声占い千恵子」さんのことは前々から気になっていました。
でも
「占いかぁ…占いねぇ…」
と、やっぱり首をもたげる不信と拒絶と不安の気持ち。
一歩足を踏み入れる勇気のないまま、もう何年経ったでしょう?

それがこの春、偶然か必然か、足を踏み出すきっかけになる出会いがあったんです。

その方はライターさんでもありジンジャーシロップ屋さんでもある、Sさん。
以前紹介した、私のインタビュー記事を書いてくださった方です。
初対面でのインタビューにガチガチだったのに、彼女の存り方に全く力みがなく、気づいたら今まで言葉にできなかったことまで話している私がいました。
あまりに彼女の佇まいが心地よくて、なんでそんなに力が抜けているんですか?と質問してみたんです。
そうしたら、
「色んなコンプレックスを持っていたけれど、あなたは乙女な厨二病って言われて全てが腑に落ちたんですよね!それから生きるのが楽になりました〜」
と。

乙女な厨二病!!!
そのなんともキャッチーで的確な言葉に大笑いして、誰がそんなキャッチフレーズをつけてくれたんですか?と再度聞いたら、それが声占い千恵子さんだったんです。

自分の思考の癖やこだわりにうまく名前をつけることができなくて、長い間もやもやしていた彼女は、この言葉を手渡された瞬間に「乙女な厨二病なんだから仕方ないよねー」と自分自身を丸ごと受け入れることができるようになったそうです。

全く自分のことを知らない、自分の人生に思い入れもない、他人だからこそ言える言葉ってあるよね。
それを受け取るか否かは私自身が決めること。

勝手に背中を押されて、ついに先日私も「声占い」してもらいました。

それはそれは不思議な体験でした。
生年月日も聞かれない、手相も見せない、カードも水晶もない。
それでも千恵子さんは、私が蓋をしてきたあのことやこのことを、バリバリの東北訛りであっけらかんと掬い出して、「んだべんだべ」と目の前に並べてくれたのでした。
そして、私が今後それらをネガティブに拗らせて仕舞いこむことがないように、今事実は事実、過去は過去、ただそれだけだよと伝えてくれたのでした。


思春期を我慢で抑え込んで溜めた怒りをいまだに消化できずにいること。
自分を認めるのが苦手なこと。
実はひょうきんなこと。
言うと伝えるの使い分けがうまくできないこと。
去り際が下手くそなこと。
自分の失敗秘話をどんどん伝えて先生を楽しむこと。
相手の本音を引き出していくのは得意だということ。
時にはいい仮病を使って倒れる前にしっかり休むこと。
よっぽど好きな人や尊敬する人以外とは仕事(コラボ)しないこと。


褒められることもなく不安にさせられるようなこともなく、ただ淡々と30分間、私に集中してくださった、そんな感覚。
目の前の私だけにコミットしてくれた30分間を終えて、私はびっくりするほどの安堵感を得ていました。
帰り道、外の世界がググッと鮮やかさを増して私に優しくなったような感覚になったんですよね。

それは私が私自身を「仕方ないねぇ」と受け入れる姿勢になったからなのかもしれません。
私も千恵子さんやSさんのように、ただそこに在るそのまんまの私になれるかな。

初めましての方に、私ってどんな人なのかを伝えるのではなく伝えられるなんて、不思議な経験ができたことは、私のこれからの暮らしにじわじわ効いてくるような気がします。

今月末で約2年働いた場所を離れることに決め、同時に今までの働き方を見直し新たなスタートを切ることに決めた、このタイミングでこの体験ができたことは偶然でも必然でもあったのでしょう。


きっとまた何かのタイミングで、千恵子さんのところに伺うと思います。
心の端っこにあの場所があるって、なんだか心強いな。




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