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アルモンデの処方箋

あるもんで、アルモンデ。
そう唱えながら、たくさんの人たちと料理をしてきました。もう何年になるかな。小さいけれど毎月毎月続けてきた料理教室。アルモンデできるよ、大丈夫。これいいね、それもいいね。目の前の生徒さんに伝えているようで、自分に言い聞かせてきたような気もします。

食の仕事をしていきたいと思い始めた頃、私は料理が好きな人、料理が得意な人、料理が仕事の人たちに囲まれて過ごしていました。みんな毎日あるもんで料理していたし、おうちのご飯ってそういうものだと思っていました。そもそも幼少期から料理好きな母があるもんでパパッと料理をするのを見て育ってきたのです。
それがそんなに当たり前のことじゃないと知ったのは、自宅で料理教室を始めてからでした。事前にレシピを用意するものの、料理のお悩みを聞きながら「そんな時はこれでもいいよ!」とどんどん違うものを作って行く自由すぎる私。そんな私にみんなが口を揃えて「あるものでパパッと作れる人が羨ましい」と言うんです。「いいなぁ、ゆこりん(私のあだ名)はあるものでなんでも作れて」そんな言葉を何度言われたかな。そこで気づいたんですよね。そうか、あるもんでご飯を作ることができたら、みんな楽になるし嬉しいし幸せになるんだなって。
その時から、レシピを事前に配る料理教室を辞めました。その日そこにあるものを使って、みんなと「何作ろうか?」って話し合いながら料理していくヘンテコな料理教室。先生役の私も当日まで何を作るかわからないんです。でも、おうちのご飯ってそんな感じじゃない?

毎日家族にご飯を作っていても、料理が苦手だっていうんです。好きじゃないのは仕方ないけど、そうではなくて苦手だっていうんです。なんでなんだろうってずっと考えていました。
10個入りの卵を買ったけど、最後の2個が使いきれなかったとき。
餃子に使ったニラの残りが、しなしなになったのを発見したとき。
家でも魚を食べたいのに、チャレンジを怖がってしまったとき。
できそうなのにできない。やりたいのに諦めちゃう。小さながっかりが日々積み重なって、「ダメだなぁ、やっぱり私は料理が苦手なんだ」になってしまう。自分でレッテルを貼って苦手意識を大きくしちゃう。私も料理以外のことでは散々そんな思いをしているからその気持ち本当によくわかるんです。
ただ食べることは毎日のこと。多くの人にとっては作ることもほぼ毎日のことですよね。苦手だな嫌だなって思いながら料理するより、気楽に心地よくできた方が嬉しいです。
それなりに長く料理教室をしてきて、学んだことがあります。それは料理への苦手意識なんて、ほんの些細なきっかけであっけなく消えてしまうということ。「これでいいんだ!」「こんなこともできるんだ!」それを何度も繰り返していくうちに、まぁなんとかなるだろうになり、やればできるになり、やるのが楽しいになっていく。なんでもそうですよね。筋肉がついていくんです。アルモンデ筋!私自身もそうだったし、そうして変わっていく人をたくさんみてきました。ただそこにたどり着くためには、きっかけとサポートが必要です。

主婦でもシェフでもない私。料理家も料理研究家もしっくりこない私。私はアルモンデ料理をする人。アルモンデ料理するようになると、日々の嬉しいがちょっと増えて幸せになるよって伝えたい人です。
小さい頃から母に教わってきたこと、多くの料理教室で学んだこと、出会ってきた各分野のプロたちから得た知識、日々のごはん作りで身につけたコツ、そんなアルモンデの処方箋が詰め込まれた箱を私は持っています。料理教室やイベントでは、この処方箋をどんどん手渡しているところです。これからも花咲か爺さんのようにばら撒いていきたい。

アルモンデ料理できるようになったらいいなって、思ったことはありませんか?それできます。誰にでもできます。ほんのちょっとコツが必要なだけ。このイベントでそ、アルモンデの楽しさをお伝えします。みなさんのお家にもある食材=アルモンデ、一緒に料理しませんか?
ぜひお気軽に遊びにきてくださいね。


アルモンデの処方箋 
Q . 今日は料理する気力がありません。でもサボっている自分は嫌だからテイクアウトやデリバリーもしたくない。どうしたらいいですか。
A . コンビニで海苔を買って、家に着いたら最後の力を振り絞ってご飯だけ炊きましょう。それも無理なら、サ◯ウのご飯も一緒に買いましょう。ご飯が炊き上がったら(温め終わったら)海苔に指で家にある調味料を塗ってください。醤油でも塩でも味噌でもマヨでもソースでもアルモンデいいです。その上にご飯をのせて巻きましょう。海苔巻きはご馳走です。
海苔を買って海苔を巻いた自分を褒め称えながら食べるのがコツです。








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