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アルモンデごはん 11月の満月から師走へ

大好きな12月。師走の慌ただしさが好きです。日々のあれやこれやをなんとか年内に終わらせよう、出来るだけスッキリした気持ちで新しい年を迎えよう。そんな気持ちが姿にも表れているような気がするんです。背筋がシャンとして、表情もキリリとしまっていて。終わりがみえた時の清々しさは冬の空気のよう。私もそろそろシャンとしないと。


満月から師走へむかうごはん

<11月27日>

好き×好き=至福

先週末の収穫祭の余韻が続いています。蕎麦打ち会のおばちゃんが「3人前はあるからねー」と手渡してくれた生蕎麦。開けてみたらゆうに5人前はありました。田舎のちょっとは本当に信用ならない。それが嬉しい。茹でたての蕎麦に擦りたての自然薯をたっぷり添えたら、一口頬張るごとに幸せ!と叫びそうなほど美味しかったです。小さい頃から蕎麦が大好きで、食べ盛りの頃は一人で一升食べきるほどでしたが、さすがに今は2人前が限度ですね。味も食感も濃厚な自然薯は、他にないこの農園だけの味。世代交代が迫っていることは聞いていますが、どうか続いてくれたらいいな。


<11月28日> 

蓮根は縦切派?横切派?

蓮根が1房。さて、どう食べようか。まな板の上の蓮根を眺めて、ふと思い立ったのです。「違う調理法で2種作ろう」。まずは縦半分にカット。片方は穴を生かした薄い半月切りに、片方は穴に沿ってスティック状に切ってみました。薄切り蓮根はさっと茹でて梅干しと和えものになり、スティック蓮根はかぶの葉っぱとコチュジャン炒めに変身。同じ蓮根なのに食感も味わいも違うのが不思議で楽しいです。繊維を裁って薄切りにした蓮根はむちっと甘く、繊維に沿って大ぶりに切った蓮根はシャキシャキさっぱり。少し向き合い方を変えるだけなのにね。人も同じ。いろんな良さがあってそれを知るごとに愛おしくなるものです。


<11月29日> 

豆皿が好き

おかず3つ。ワンプレートに盛り合わせたい時もあれば、こんな風にちょこちょこ盛りたい気分の時もあるのです。昨日の蓮根、あやめ蕪の塩揉み、手作り刺身こんにゃくとまぁ地味なおかずたちですが、私にとっては満ち足りた食卓。週末のイベントで購入した刺身こんにゃく(こんにゃく芋から育てて作られたもの)が、プルップルでまるでゼリーのようでした。何これ!?こんにゃくの概念が破壊されて新たに創造された感じ。手作りだけが全てなんて思っていないけど、手作りだからこそできるものはたくさんあると思っています。これはきっと手作りだからこその味。あー!もっと買っておけばよかった!


<11月30日> 

我が家の新たな常連さん

米が好き。白米も玄米ももち米も好き。フォーも生春巻きも白玉も好き。とにかく米由来のものは何でも好きで、我が家には常時様々な米製品がストックされています。そこに最近加わったのが「バインホイ」。ベトナムのビーフンシート?のようなものです。我が家の近くにあるベトナムカフェ(ベトナムの方が経営してる)で食べてから、すっかりハマってしまいました。パリパリに乾燥したシートを30秒ほど茹でてざるに広げて10分ほど置き、柔らかくなったらクルクルと丸めて出来上がり。もっちもちの食感が最高なバインホイは、お肉や香味野菜と葉っぱで巻いて食べるのが一般的みたい。私もそれに倣って食べています。この日は酒徒さんレシピの白切鶏と一緒に巻き巻き。ご飯を炊く気力もない、でも麺じゃないの、小麦じゃないのよ、という時に、米欲を満たしてくれる最高のやつなのです。バインホイ、おすすめ。


<12月1日> 

ビジュ最高

11月に友人のお母さんの畑で収穫したシルクスイート。大切に大切に1ヶ月半ほど熟成させていました。いや、正しくは放置していました。そろそろかなーと先日焼き芋にしてみたら、これがもう甘いのなんの。シルクスイートは近年流行りのねっとり系の品種なので、焼き芋にぴったりなんですよね。でもさつまいもご飯には柔らかすぎかも?は思いつつ、どうしても食べたくなってしまいました。やはり柔らかいので混ぜている間にさつまいもは崩れてしまうのですが、ペーストになったさつまいもと米の絡みがいい感じ。胡麻塩を振ったら甘さが引き立って、ますます美味しくなりました。もちろん2杯食べました。


<12月2日> 

美しいものは美味しい

お呼ばれDAY。最高に贅沢な時間を過ごした1日。アシスタントをしている料理家さんからのご縁で、ある方のホームパーティーにお誘いいただきました。ホストをしてくださったKさんのお料理が最初から最後まで本当に美味しくて!仕事においても人生においても大先輩なお姉様方のお話は面白く、皆さん本当にチャーミングで、私もこんなふうに歳を重ねていきたいなと心底思いました。職種はさまざまですが、家庭のこと料理のことに精通しておられて、出版業界で長く活躍されている方達ばかり。今まで自分とは縁遠いと感じていた世界に少しだけ足を踏み入れられたことが嬉しかったな。ありがたいご縁に感謝でいっぱいです。本、本、本。本で伝えてみたい。

<12月3日>

アクの強さはエネルギー

友人のパパが育てた自然薯も残りわずか。そういえばとろろご飯をしてなかった!と気づいて慌てて麦ご飯を炊きました。自然薯自体の味が濃厚だから、すりおろしたとろろを昆布だしでゆるめて、しろたまりで少し塩味をつけるだけで十分。サラサラよりポテポテが好きなので、出汁も最小限です。ご飯:自然薯=1:2くらい、贅沢に頬張った瞬間の幸せたるや!目尻が緩みます。
今年の自然薯はすごくアクが強くて、すりおろした側から変色していきます。エネルギーが強いんだな。アクは外敵から身を守るために、彼らが作り出すバリアー機能。アクを嫌がる人は多いけれど、私たちにとって邪魔なだけです。人間だってアクが強い人ほど個性的だったり思慮深かったりするもの。アクもこの自然薯の個性。その個性を美味しく食べられるのは、私が元気な証拠でもあリます。食べることは命のやり取りだから、食べるものと同様のパワーが食べる側にもなければ、美味しく感じられないし身体も受け付けてくれません。食べたものをしっかり受け入れてくれる身体にも、ありがとうを伝えなくちゃね。

毎月開催している料理教室、12月はお休みをいただきました。次のクラスは年明け1月です。実は2024年、来年は教室を始めて10年目の年。これまでお肉やお魚を使わないVEGAN料理をお伝えしていましたが、2024年からはVEGANとノンベジ(お肉やお魚をつかう料理)を交互にやっていきます。より皆さんの暮らしに馴染むごはん作りをお伝えするにはどうしたらいいかなと考えている日々。
基本的には旬の野菜を2つセレクトして、それらをとことん食べ倒します。1月のクラスで取り上げるのは大根と白菜。定番野菜とあらためて向き合ってみるのも楽しいですよ。ぜひご参加ください。






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