アルモンデごはん 師走の新月をこえて
今年の手帳と来年の手帳を2冊持ち歩く日々。2つの手帳を眺めながら、節目について思いを馳せたりして。過去と未来は常に重なり合っていて、私は常にその重なりにある今を生きているだけです。年の瀬に感じる少しの焦りは、この一年を本当に生き切ってきたと、自信を持って答えられないからかもしれません。ぼんやりと生きてこなかったつもりではいるけれど。
2023年 師走の新月をこえていくごはん
<12月11日>
コロナの時期を境に手帳から飲み会というスケジュールが消えて久しいです。働き方が変わり、お付き合いで飲みにいくこともなくなりました。職場の忘年会なんていつぶりだろう。普段は下の名前で呼び合うから苗字すらわからない、年齢もぼんやり、どんな人生を歩んできたかも全く知らない人たち。そんな関係性でも8時間飲み話し続けられるほど、職場の雰囲気が良いのです。幅広い年代の共通項が少ない人たちと飲むことは、昔から嫌いじゃなかった。むしろ好きだった。誰一人同じ人はおらず世界は知らないことばかり。井の中の蛙が酒に揺られて大海を知る、そんな夜でした。
<12月12日>
ち鯛1匹。以前の投稿では鯛めしにましたが、この日はシンプルな鍋に。薄切りにした大根の上にち鯛をのせて酒と水と塩で煮込んだら、仕上げに長ネギと柚子をたっぷり加えて出来上がり。簡単だけど見た目も味もご馳走そのもので気分が上がります。ほんの数年間まで丸ごとのお魚って面倒だなと避けていたのが嘘のよう。最近は定期的に食べるようになりました。いくつかの失敗を経て、ああこうすれば大体美味しく食べられるのだという自分なりの法則を見つけたから。失敗なくして成長もない。そもそも失敗を恐れずにチャレンジできる分野は、私自身がそこでの成長できると無自覚な自信を持っているのかもしれません。
<12月13日>
仕事が溜まって今夜は料理に割く時間がないって時に限って、身体に優しいものが食べたくなるのはなんでだろう。カップラなら3分で食べられるのにね。そういうのじゃない!って私がわがまま言うんです。自分のわがままはできるだけ叶えたいからセイロに頼ります。冷蔵庫にあるものを手当たり次第に詰め込んで蒸しスタート。洗濯物を片付けてメイクを落としてパジャマに着替える頃には、野菜も豆腐もいい感じに蒸し上がっています。私は本当にセイロを頼りにしています。我が家の台所に欠かせない道具の一つ。
蒸し野菜にはサムジャン(Sempioのものがお気に入り)や酢醤油をつけて食べました。こう言うのが食べたかったって、私が大喜びでした。
<12月14日>
料理に割く時間がないDAY2日目。この夜は大好物のわかめラーメンです。昔々家族でよく行ったラーメン屋さんでいつも食べていた「わかめラーメン」のオマージュ。名前そのままに具材は山盛りわかめと数本のシナチクだけというものでしたが、幼い私はそれが大好きでそればかり食べていました。もう随分前にお店は無くなり、今はおうちラーメン=わかめラーメンとなりました。本当は平打ちピロピロ麺がベストだけど、この日は実家でもらった生ラーメンセットで。もはや目的はわかめをラーメンスープで食べることで、麺は脇役になっているような気がしないでもない…。
<12月15日>
職場で余った大量の焼き鮭。衛生重視な現場のため85℃まで火を入れるから、焼き上がりがパッサパサになっちゃう。まぁこれが人気がなくて(笑)。たくさん頂いてきたのでまずはパスタにしてみました。鮭といえばクリームパスタでしょう。長ネギと小麦粉を炒めたところに鮭と豆乳を加えて少し煮込んだら一度火を止めて、その間にパスタを茹でます。ソースを作ってから少し時間を置くことで、鮭に水分と油分を吸収してもらおうという作戦。パスタが茹で上がる直前にソースを温め直して絡めたら出来上がり。
作戦は大成功!パッサパサからホワホワしっとりに変身した鮭の豆乳クリームパスタ、美味しかったなぁ。少しの手間で生まれ変わるものはたくさんあるんですよね。なんでも人の素材のせいにしてはいけません。足りないものは補えばいい。手間暇にはちゃんと応えてくれるから。
<12月16日>
12月は大根料理強化月間。来月のアルモンデ料理教室のテーマが大根と白菜なので、今月は大根、来月は白菜をひたすら料理して食べる予定です。冬の食卓の主役は白い野菜。この日は我が家の定番、大根の唐揚げでした。1cm厚にカットした大根を醤油に30分ほど漬けて、片栗粉をつけて揚げるというシンプルイズベストな一品なので「大根本来の優しい味わい」を想像される方も多いのです。が、実はかなりジャンクな味わい。理由は私もわかりません。上品かつ庶民的な味で有名な大根だけど、こんな背徳感のある味も出せるんだぜ。ますます大根沼にハマっていってしまうぜ。
<12月17日>
仕事の帰り道、体はヘトヘトでお腹はペコペコ。冷蔵庫にあるものを思い出しつつ脳内調理シュミレーションしつつの帰り道。玄関を開けたら着替える間も惜しんで料理スタートです。茹でた鶏皮と賞味期限切れのキムチとご飯を炒めて、仕込んであった味玉を添えてキムチ炒飯の完成!帰宅後5分飯。満たされる〜。
これが食べたい!というイメージがクリアな時って、ほぼ妄想通りの味に仕上がります。ゴールが明確だからね。アルモンデ料理する時のコツは、出来るだけ「こんな感じのものが食べたい」というイメージをしてから調理し始めることだと思っています。料理している途中で変わってしまってもいい。でも自分がどんな味を求めているのかを把握しているのといないのとでは、出来上がりに天と地ほどの差が出ます。食べたいものしか上手く作れないもの。自分の欲求と向き合うことって大切ですね。
「食べるの始末」というオンラインマンツーマン料理レッスンを随時受け付けています。(zoomを使用)普段抱えている料理のお悩み、買い物の仕方から食材の選び方、調理法はもちろんのこと片づけのことまで食べることについてどんなことでも話してみてください。伺ったお話からあなたに必要なレッスンを提案させていただきます。気づけば台所で過ごす時間が楽しくなっていた。料理を苦痛と感じることがなくなった。そんなお声をいただいています。私の料理の基本はアルモンデ。特別用意していただくものはありません。ご自宅にあるもので料理するから、レッスン後もすぐにまたつくるこことができますよ!(ご希望の方にはご自宅に伺ってのレッスンもしますよ)
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