アルモンデごはん 真っ直ぐ素直につくる
食材と真っ直ぐ向き合って素直にその個性を受け止める。そんなふうに料理をしていたら、たいそう滋味だけど飽きないごはんが得意になりました。キラキラひかる料理が溢れるタイムラインを横目に、本日も相変わらずな食卓です。
そんな我が家の料理アルバムをみていたら、大好きな藤川幸之助さんの「やわらかなまっすぐ」にある詩の一節を思い出しました。"君から離れた言の葉には、裸のままの本当のきみが、いつもそのまま刻まれていた。"
目の前の食卓は誰でもない私がつくったもの。ありのままの私がカタチになったもの。少し恥ずかしいけれど悪くもないな。
<7月8日>
キャベツの昆布締め。昆布→千切りキャベツ→塩パラパラ→昆布の順に重ねて一晩置いただけ。それだけでわんぱく千切りキャベツが、しっとり上品ななお味に変身するのだから不思議です。キャベツの水分を吸って柔らかくなった昆布も良き。刻んだ昆布とキャベツを同時に味わうとうっとりしちゃいます。千切りキャベツの可能性は無限だなぁ。私はまだその10%も気づけていないような気がしています。
<7月9日>
地元の名物、芋フライ。パン粉をつけて揚げた茹でじゃがいもが、竹串に2〜3個ささっているのです。昔は1本80円ほどだったと思います。中学校時代、部活の後によく食べていたなぁ。今でも時折、外カリ中ホワなじゃがいもが食べたくなります。
この日はじゃがいもとフェンネルをコトコト煮込んでいました。スープで食べようかなぁと思っていたけれど、味見をしたらじゃがいもがあまりにも美味しくて!慌てて取り出してカリカリに揚げ焼きしました。フェンネルの香りを吸い込んだ、外カリ中ホワ揚げじゃがが美味しすぎて、気づけば2個分平らげていました。フェンネルの葉とニンニク入りの豆乳マヨネーズもいい仕事したね。
<7月10日>
再びキャベツ。キャベツの浅漬けキムチは我が家の定番です。甘酒+塩麹+ナンプラーに韓国粗挽き唐辛子を混ぜた、なんちゃってヤンニョムと塩揉みしたキャベツを合わせるだけ。すぐに食べても翌日以降に食べても美味しい。写真は漬けてすぐのもの。サラダ感覚でモリモリ食べちゃうから、キャベツ1/2玉分を仕込んでもあっという間に消えてしまいます。ドコイッタ…。
<7月11日>
保育園では食材を翌日に持ち越すことは厳禁です。小さい子供たちが食べるものだから、保健所のチェックが厳しいのは当たり前。でも捨てるのは嫌!残った食材を前にすると、アルモンデの血が疼きます。大人が食べるということであれば自由にやらせてもらえるので、残った食材は先生たちのおやつにすることもしばしば。園児のおやつがエッグタルトだったこの日は、残ったカスタード液と残った食パンを合わせて、残りものパンプディングを作りました。先生方も喜んでくれて、食材も使い切って、幸せな一石二鳥です。味見と称して一片もらったものは、翌日の朝ごはんにしました。残りものは福だらけ。
<7月12日>
大きな瓶にたっぷり入ったブルーベリーの甘煮。SALEだー!と喜んで購入したものの、なるほど何で安くなっていたのわかったよ…。抜け殻みたいなブルーベリーにアガベシロップで甘みを足して、レモンでちょっと酸味持して、寒天寄せにしました。常温でもあっという間に固まってくれる寒天は、夏の我が家の定番おやつ。なんでも固めて冷やしちゃう。仕事でヘトヘトの帰り道も、「帰ったら冷蔵庫に寒天ゼリーがある」と思えば元気になっちゃう。一口食べるとまた元気になって、疲れも忘れて家事を楽しめるというものです。単純な性格でよかった。
<7月13日>
夏のイベントの試作をちょこちょこと。実は、生野菜にドレッシングをかける、いわゆるサラダを普段はほとんど食べないのです。でもいざ試作を始めたら目新しくてとっても楽しい。生野菜すぎず、ドレッシング漬けになりすぎない、絶妙なところを探しています。これでいいんだ、これもいいんだ。というのは、私の料理教室の合言葉ですが、それを子供たちにも感じてもらいたい。子供のセンスオブワンダーを開く鍵を探しています。もちろん親も一緒にワクワクを感じてもらえるように。
<7月14日>
試作の日々。楽しい。お題をいただけると俄然やる気がみなぎります。普段使わない食材だと尚更に。缶詰のコーンなんて、何年振りに買っただろう。いただいたお題の中に自分の課題を見つけて、それをほぐして解決していくのは嫌いじゃない。むしろ結構好きみたいです。
ただひとつだけ辛いことがあるとしたら、試作を終えた後の数日それをひたすら食べ続けること。ご近所に「今日ご飯作るの面倒だなー」という人がいたら届けたいよ。
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