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アルモンデナンデモデキルサ#2【大根の懐の広さ】

毎週1回、stand.fmで旬の野菜をまるごと食べきる一品を声でお伝えしています。
聞きながらつくれるくらいシンプルな料理なのですが、noteでは余計な小ネタも挟みつつ、改めて文字でもお伝えしていきます。
レシピありきじゃなくて、素材ありき。
ひびのわはそんなご飯が得意です。

年始に帰省した際、母方の叔母のところにも新年の挨拶をしに行ってきました。
叔母はもう長い間趣味で畑仕事をしているのですが、小さな畑には果樹や根菜葉物などあらゆるものが育っています。
畑からごっそり野菜を収穫するために遊びにきているんじゃ…と叔母が疑いを抱いても否定できないくらい、毎回山のような野菜をもらってきます。
今回のメインは白菜と大根。
どちらも大好きな冬の白い野菜ですが、どちらも一人暮らしでは食べ切るのが大変な野菜ですよね。

そうです。我が家は年明けからずーっと大根祭りが開催されているのです。


大根を使った料理というと、おでんや鰤のあら煮や大根サラダなど、煮るか生かを想像される方が多いかもしれません。
もちろんそれらはとっても美味しい大根料理ですが…、今時期の大根はぜひ炒めて食べてほしい!というのが長年の私の口癖。
寒さで実がぎゅーっとしまった冬の大根は、水分量が多すぎず、甘味と辛味のバランスも抜群で、炒めてもすっごく美味しいんです。
ということで、今回のひびのわradioでは「こっくり大根の味噌きんぴら」をご紹介しています。
しっかり火を入れて、しっかり味付けするので、こっくり仕上がってご飯も進むお酒も進む一品です。


◇材料◇
大根/にんじん/ごま油/塩/みりん/味噌/ごま(なくてもOK)

◇必要な道具◇
包丁/まな板/フライパン

◇工程◇
①大根は皮を剥かずに長さ5cmに切り分ける。
 縦に1cmくらいの厚さに切りその後拍子木切りに。
 1cm角×5cmくらいの大根の拍子木を作る感じ。
 (おおよそでOKですが、太めがおすすめ)
②人参も皮を剥かずに、大根同様にカットする。量は大根の半分くらい。
 大根より気持ち細めの拍子木切りにする。
③フライパンに全体に広がるほどのごま油を入れ、塩をひとつまみパラリと振り入れたら火をつける(中火)。
 フライパンが温まらないうちに大根を重ならないように並べ入れる。
④大根を入れたら動かさずに、大根から水分が出てツヤツヤしてくるまで待つ。
 半透明になり焼き色がついてきたら、裏返して全体的に焼き色をつける。
⑤大根が全体的に焼き色がついたら、フライパンの片側に大根を寄せて、空いたところに人参を重ならないように入れて焼いていく。
 人参にツヤが出るまでいじらないこと。大根同様に焼き色がついてきたら、大根とざっくり混ぜ合わせる。
⑥大根とにんじんが水たまりに浸るくらいの味醂を入れ、沸々と煮立ててアルコールを飛ばす。
 煮立ったら大根とにんじんに味醂を絡ませるように混ぜて、煮詰めていく。
 完全に煮詰まる前に味見をして、甘味を確認する。(足りなければ足して再度煮たてる)
 この後味噌で塩味をつけていくので、しっかり甘いくらいがおすすめ。
⑦具材をフライパンの片側に寄せて空間を作り、そこに味噌を味噌を溶き入れ、少しずつ大根と人参をそこに絡めながら全体に味をつけていく。
 味噌ははじめ、みりんの半量弱くらいの量を入れて、味を見ながら足していく。
⑧この時点で水分量が多いようであれば煮詰めて、お好みの甘辛味になったら火を止めて胡麻をふって出来上がり!


大根の切り方の細かい説明や、味噌はどんなものが合うの?他にどんな野菜で作ると美味しいの?などの細かい説明は、上記のstand.fmでお話ししているのでぜひこちらも聞いて見てください。


今回の一品、実は大根のような水分量の多い根菜を炒めるコツが詰まっています。

まず、切り方。
大根を拍子木切りにしてくださいってお伝えすると、まず1cm厚の輪切りにしてそれを1cm幅に切るってしがちです。
決して間違いではありませんが、大根を炒める際には、繊維を断ち切らないように繊維に沿って縦に切ることが大切。
水分量の多い根菜をシャバシャバにならないように炒めるときはこれ、重要なポイントです。 

次は炒め方。
同じ時間で偏りなく火が通るように、具材は重ならないようにフライパンに並べること。
そして焼き色がつくまでは、出来るだけいじらないことです!
かき混ぜたりするほどに空気が入って、フライパンの温度はどんどん下がってしまいます。
温度が下がると焼きあがるまでに時間がかかって、どんどん具材から水分が出てしまってシャバシャバな出来上がりになっちゃう。
炒めものはみつめる料理!
ここだ!というタイミングをじーっと待って、具材に触るのは最小限にしましょう。

最後に味付け。
最初に味噌とみりんを混ぜて、それを具材に加えて煮詰めていくって方も多いかと思います。もちろんこれもありですが…。
私はまずみりんで具材に甘味をしっかり入れてから、最後に味噌味を入れるやり方をしています。
その理由は、大根は水分が多い野菜なので味噌の塩気が入るほど水分が出てしまって、仕上がりが水っぽくなりがちということ。
そして煮詰めるとどうしても塩気が強くなりがちなので、味噌と味醂を混ぜた時のベストな味よりも、最後の味がしょっぱくなりがちだということ。
(そして最後に味醂を足すとこれまた水っぽくなってしまう)
もう一つは味噌の香りは火を入れすぎると飛んでしまうので、味噌をフライパンに入れたらできるだけ短時間で調理を済ませたいということ。
調味料を入れるのは「さしすせそ」の順番で、と聞いたことがある方も多いかと思います。
今回の味付けはまさにそれで、甘味を先に決めて、その甘味とのバランスをみながら塩味をつけていったほうが失敗が少ないんです。

なんて、難しく感じてしまった方がいたらごめんなさい。
色々言ってしまいましたが、どうにでも美味しくなるのでご心配なく!
もし仕上がりが水っぽくなってしまったら、すりごまをたっぷりまぶしてみてください。
ごまが水分を吸って、よりこっくり濃厚なきんぴらになります。
甘すぎたら七味をかけて食べるとこれまた最高だし、しょっぱかったら炊き立てのご飯と混ぜ合わせて味噌味の大根飯にしても美味しいです。

おうちのご飯は、食卓に並んでからもアレンジ可能なのがいいところ。
頑張りすぎない毎日のご飯で寒い冬も美味しく過ごしていきましょう!

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