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「3.11」にまつわる思い出

今日は3月11日。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。

東日本大震災からもう一回り時が過ぎた。
仕事や展示などで、いわきとご縁が深く私も書きたいことはあるが、追悼風なことは便乗しているようで違和感ある。が、むしろ勇気付けられた出来事があったので書くことにする。

震災の日は工房(東京の西のはずれ)で作業していた。
すごくゆっくりと、そしてとても長く揺れた感じが、今までに経験のない気持ち悪さでTVをつけた。
そこで、よく知る小名浜の地も大変だと知った。お世話になった水族館やギャラリーなども被災していた。
アーティストとして何か活動しようにも、被災直後はアートどころでなく、音楽家が慰問に訪れているニュースを横目で見ながら、美術家は無力だと思い知らされた。
まぁ、少し時間が経過してから、被災者向けのワークショップをようやくできるようになるのだが、その前段階(地震2ヶ月後くらい)として、自分の作品の様子を見るためアクアマリンふくしまと、小名浜から薄磯海岸にかけて訪れる機会が出来た。

その時のエピソード
(多少不謹慎に思われる方も居ると思うがご容赦いただきたい。)

薄磯海岸は、がれきの山と住宅の基礎だけになった土地が広がり、この世と思えない光景だった。道中言葉を失いながらも帰り際、津波に壁を流され、屋根だけで営業していたセブンイレブンを発見したので、せめてお昼ご飯はここで買おう!(売り上げの応援のつもり)と立ち寄った。

壁も電気も無い店内で、運搬箱を積んで台として商品陳列し、冷蔵庫変わりに冷蔵車を横付けして車内でお弁当や冷たいものを陳列販売していた。
そのたくましい光景と、店員さんの明るい笑顔に、励ます気持ちで入店したのに逆に励まされた気分で店を後にしたのだが・・いや、励ますつもりがむしろ迷惑かけたかも・・・

お弁当やら買った時、
「くじを一つ引いていただけます!」と店員さんがくじ箱を出してきた。

この状況でもちゃんとキャンペーンやってるんだなぁ・・・すごいな~と思いつつ
「私はくじ運が全く無いんだよね~でも引いちゃう!」と、明るくおどけて気軽に引いた。

「お!お茶が当たりましたっ!!」と店員さん。

え?くじ運ない私がここで当てちゃう?しかも貴重な水分をっ???
オレは何してんだ?応援してるんだか、邪魔してるんだか・・・
頭がクラクラしていたらそれを察したのか

「大丈夫ですからお持ちください」と手渡された。

いや、いらないです!と言えるはずもなく、
「ありがとうございます。頑張ってください」と言った。

何をやってるんだか・・・。


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