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自分が誘われなくて妬んでしまう人へ

なぜ、あなたは誘われないのでしょうか?

それを考え始める時点で、実はもうすでに嫉妬の渦に巻き込まれてしまっているかもしれません。

着ぐるみは、そもそも嫉妬しやすい趣味である

ケモノ着ぐるみという、個人で着ぐるみを持ち、写真を撮影したり、ダンスをしたり、イベントで交流する文化があります。

この着ぐるみ、という趣味は、2000年代初頭は個人サイトやmixiなどのコミュニティでのつながりに過ぎませんでした。
しかし、TwitterやInstagram、TikTokやYouTubeといったSNSの発達によって自分と相手の人気やつながりが露骨に可視化されるようになりました。
言い換えるならば、着ぐるみというコロニーの中で、パワーバランスが常に可視化されているようなものです。

誰々という人気の人からフォローされてもらえた、ということで一喜一憂する……数字を追うということは、他者からのフォローに自分の価値を委ねた、非常に不安定なつながりでもあると言えます。

また、着ぐるみ活動は一人でできることには限度があります。非常に時間とお金の掛かる趣味だからです。当然ながら、親の太さや経済的事情、学歴や会社なども活動に強く影響します。
日頃の化粧や整形、歯列矯正や服、身だしなみで日々の努力が評価されるのと同様に、お金と時間と努力を着ぐるみに掛けただけ見た目が良くなるということから、着ぐるみの世界においても現実と同様のルッキズムが少なからずあるということです。

しかし、他者から好かれるというのはこれだけの多大な努力を要したうえで、さらにやりたいことと求められていることが一致しているということでもあります。現実逃避のために着ぐるみを始めたのであれば、界隈の実態が努力と才能がひしめく社会の縮図であることを知って幻滅するかもしれません。

では、どうすれば良いのでしょうか? まだ努力が足りないのでしょうか?

少なくとも、あなたが努力したとしても成功するかどうかは運です。だけど、成功している人間は間違いなく努力しています。そして、あなたと目標にしている人はバックグラウンドも何もかもが違うという前提もあります。

今回は、そんな地道な努力を阻害する「嫉妬」という感情に対して向き合う方法を考えます。


嫉妬とは、自信のなさだ

誰しも妬みの感情は少なからず持ってしまうものです。私だって、自分が行けなかったイベントに対して羨ましい、という感情はあります。
それは、自分の手が届かないものに対してそれを欲しているから、妬みが生まれるのです。

言い換えれば、妬みは「自分にはできない」と決めておきながらも相手の良いところだけを得たい、という感情です。

だけど、妬みの感情を持っていることを表に出してしまえば、相手からは良い思いはされないでしょう。それを誰でも見れるSNSで言うのは、得策ではないです。
「そんなことわかってるけど、自分も行きたかった……」という気持ちはあると思います。

結局のところ、嫉妬の感情を持つのは、自分に自信がないことの表れだと岸見先生も言います。

相手をコントロールできると思うから、嫉妬する

そして、クローズドオフに誘うか誘わないかを決めるのは相手です。相手に決定権があるのに、相手を自分がコントロールできると思いこんでしまうから、嫉妬するのです。
なぜ自分を呼ばなかったのだろう? 相手が自分のことを仲間外れにしたかったから?

決して仲間はずれにするためにあなたを呼ばなかったということはないでしょう。単に、仲の良い友だちと遊びに行っただけです。それを、仲間外れにされたと感じているのは「自分は着ぐるみを持ってこんなに活動しているのだから、面白いイベントに呼ばれて当然の人間である」と感じている傲慢に他ならないでしょう。

単に友人と遊びに行ったのを、「わざと自分をのけものにしている」と勘違いしてしまうからこそ、嫉妬という感情は生まれます。
「けものはいても、のけものはいない」が成り立つのは、お互いに対等なフレンズだからです。

もちろん、相手だけ良い思いをしているのに自分ではどうしようもない、という状況だからこそ、少なからず羨んでしまうのは仕方のないことではあります。

イベントに呼ばれるためにすべき努力とは何か

ですが、本当にしたほうが良いことは、周りに愚痴を言う、SNSに書き込むことではなく、「日頃から周りの人に楽しんでもらうよう努力する」ことではないでしょうか。

もっと具体的に言うなら、

  • イベントのスタッフをやる。

  • イベントで盛り上げ役を買って出る。

  • かわいい動きで周りを喜ばせる。

  • 人の役に立つ知識や経験を伝える、教える。自分にしかできない能力を使って周りに貢献する。

  • 絵や着ぐるみ制作、音楽制作、楽器、トークなどのスキルで周りを喜ばせる。

  • 見た人、聞いた人が嫌な気持ちになることを避ける。

  • etc…

一緒に楽しいことをしたいという仲間を増やす努力をする、周りに嫌な思いをさせないという人間関係の努力を払わずして、良い思いだけをするのは難しいでしょう。
相手からの善意を搾取する人が増えれば増えるほど、オープンなイベントは減ります。

面白いイベントを作る一部が自分自身である、という自覚がないからこそ、プライベートなイベントには誘われないのです。というか、本当に面白いイベントを作りたいなら自分で作ればいいしね。それができないから嫉妬しちゃうんです。

(これは自分が元イベントスタッフやってたり、制作本出してたりという経験があるからかもしれませんが)

一緒にいて楽しい人なら人が自然と集まるはずです。周りを喜ばせるための自分磨きをする、という意味では「努力不足」といえるのかもしれません。

人気な人は昔からの友人と仲良くする。仲良くなる努力は水の泡になる確率が高い

また、結局のところ、人気な人と仲良くなれるのは運です。
というのも、人気な人が仲良くしているのはほとんどは昔から仲良くしている人だからです。
新しい人と仲良くなるコストよりも、既存の人と仲良くし続けるコストのほうが圧倒的に低いし、楽しいことが保証されているからです。
わざわざ、大して関係のないような誰かもわからない人と友達になる義理も、ましてやプライベートオフに誘う義理もないわけです。

ほんとに↓の記事で言ってることを逆の立場にしているだけで、撮って撮られてで終わりの関係からまだ一歩も踏み込んでないのに、勝手に一方的に友達だと思い込んでるから友達ができないのです。

余裕も、お金も、時間もないあなたでもできる努力は「親切な言葉」

数ある人の中から才能と努力を見つけられて引っ張ってもらえた人はごく稀だと思ったほうがいいです。仲良くなれたら運が良かったと思ったほうがいい。
だけど、その確率はスタッフやるとかでも上げられるし、きちんと努力していたならむしろ相手から見つけてもらえるはずなので、もしあなたに仲のいい人があまりいないのならそれはあなたの努力不足です

それに、そこまで努力するだけのコスト、労力を着ぐるみに費やすのはその人の余力によります。
今の仕事や生活じゃ無理……ってなっているからこそ嫉妬するのであって。
その状態でコミュニティに奉仕できるものって、もはや「愛想の良さ」と「親切心」ぐらいなものですから。

ようこそジャパリパークでも、一緒にいるだけで元気になれるような挨拶と、相手への関心を持つところを歌っていますしね。

はじめまして(はじめまして)
君をもっと知りたいな

どうぶつビスケッツ×PPP「ようこそジャパリパーク」より

ちなみに、挨拶、笑顔、相手への関心の質問コンボを決めると、8割方の人と仲良くなれます。それぐらい練習する価値はありますし、強力です。
戦場カメラマンの渡部陽一さんは、海外の街とかで行き交う人全員に元気に挨拶しています。そうすると不思議なことに、めちゃくちゃ愛想の良い人に見えるのです。
初手で相手が警戒を解いてくれやすくなるので、本当にコミュニケーションが円滑になります。

このように、人間関係は時間がなくても、努力と勉強、経験とパターン化次第でまだ多少はどうにかなります。
かくいう私が下手くそなタイプなので。
失敗して、嫌な思いをして、苦労して身につけた最低限のコミュニケーション能力は元から素質のある人にはとてもかないませんが、なんだかんだいって一生ものになります。

(何らかの障害を抱えた人は除く。当たり前ですが、心身に病的な問題がある場合は病院へ行って改善するのが先で、着ぐるみ活動の優先度を下げてください。趣味は健全な精神と身体あってこそです)

だからこそ、周りの人を大切にするところからスタートしてください。あなたが人のために尽くす努力をせずして、今持たざる者がどうこうなるものではないです。
そして、人間関係こそが長期的に見たときのイベントでの楽しさにもつながってくるでしょう。


自分だけが他人の文化祭に、一人で行っても楽しくないでしょう。
まずは自分の大切なクラスメートを増やすところがスタートラインです。

キャラクターの創作費に使わせていただきます。