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作品の魅力を金に頼らず伝えるには。

「俺は売れてるかどうかじゃなくて、好きかどうかで作品に接してるんだ! 金でしか見ない奴はバカ!!」みたいな勘違いをされてる方へ。

そーいう勘違いをしてるから嫌われるんです。

ちょっと他人の立場からモノを考えられれば、この批判がそのまんな自分に返ってくるって気付けるはず。

このツイートにたくさん反応が来るってところからも、「自分の作品が売れてなくてイライラしてる人」がいっぱいTwitter(X)にはいるんだなって。

お金かフォロワーでしか、すごさは伝わらない

お金は、相手が知らなくても成り立つ共通の権威

そっくりそのまんま裏返しますよ。
相手が知らない分野について評価を伝えるときどうしてます?

「私の好きなバジョデューニャのゴゴミラ、ホントに良くておすすめなんだよねー、すごいと思わない? これ見てさ」
って言いました。
作品見ても相手はピンときません。
どうやってすごさ、偉大さを伝えましょう?

◯人が好きなんだよ。→ならもっとすごい人有名人いるね。
◯人もドームに集めるんだ。→音楽ファンにしか通じない。
◯◯さんがすごいって言ってるんだ。→誰?

言ってしまえば、専門外の興味のない相手に作品の良さを伝える方法って、SNSの数字か値段しかないんですよ。
逆に、自分が専門外だったときも然り。
専門以外のことについて良さを語るときの一番わかりやすい共通指標って、お金なんですね。

あなたは他人の作品の凄さについてよくわからないときに、お金を評価に使ってませんか?
あらゆる物事に対して「救いようのない馬鹿」にならない自信があるんですか?

賢い人でも、本当の価値はわからない

会社や自治体、国家や大学の事業仕分けが失敗するように。
どんなに賢いといわれる人でも、自分の専門外はお金ぐらいしか評価軸はないんです。

とても賢い人はそれを知っているから、「お金を評価軸にしている人がたくさんいる」ように見えているだけ、ということに気づいているんですね。
自分の専門外の人間は、まるで自分の専門を金でしか見てないように錯覚するんですよ。

この誤謬に気付けないと、いつまで経っても
「俺の周りは金でしか評価しない!!!」
って不満をぶちまける人になるんですよ。

あなたの好きなものは、みんな知らない

自分の専門外なんて、ましてや好きで掘り下げてもないものなんて、金でしか評価できなくて当たり前です。
金以外の評価軸を持てるほど詳しくなるのには時間が掛かるし、コンテンツが溢れかえって消費しきれない現代でそんな余裕がある暇人なんてそうそういないです。

EDMは好きだけど、ロックは興味ない。
ソシャゲはやるけど、PCゲーはわからない。
キャライラストは描くけど、現代美術は知らない。
神絵師の絵は偉大だけど、AI絵はだいきらい。

大多数は、あなたの好きなものなんて、知らないんですよ。

インターネットの世界では、みんなが違う世界を見ているんです。

それに気づかず、自分の好きな作品を評価してくれない、自分の作品が金でしか評価されないなんて垂れてるのは、自分で自分のメンタルを傷つけてるようなものなのでよくない。
そんなしょーもない自傷行為してる暇があったら、好きな作品を作るなり鑑賞するなりして傷を癒せばいいと思います。

余談:売れてるものを作ろうとしてる人の努力を踏みにじるのは良くないよね

売れてるもののほうが価値があって素晴らしいっていう価値観。
一見、そんな価値観で動いてるやつヤベー奴だな! って思っちゃうじゃないですか。
そんなことないですよ。個人的には1つの大切な尺度だと思います。

もしカップヌードルやコカ・コーラのような、世界中に自分の製品を広めたいと思ってるんだったらこの価値観を最重要視するべき。
逆に、こだわりのラーメン屋やクラフトコーラのように、誰か望んでる人に届けばいいと思ってるんだったら、もっと違う価値観を持てばいいです。

少なくとも、熾烈な資本主義社会で戦って勝ち抜いていくという一点だけを見るのなら、売れるものが正義で、売れないものはカスです。
SDGsとか環境活動とか、一見売るのに関係ないようなことをやっているように見えても、全ては長期的に自分の資本(≒地球)を失わないための行動ですから。

他人の生き方に「救い難いバカ」って全世界に向けて発信してる人よりは、金儲けのために動いてる人のほうがよっぽど信頼できます。

いやまあ分かりますよ。本当に良いものが評価されてほしい、っていうのは。
だけど、そんな綺麗事だけで生きていけるほど経済的に安定してる人ばっかりじゃないんですわ、今の日本って。
言うなれば貧乏だから、余裕がなくなってる。

その結果としてこういう考え方が最適解になっているケースって少なからずあって、その人の中では一生懸命生きてきたはずなのに、その生き方、価値観を真っ向から否定するってどういうことよ?
あんたはその一因になってない! って言い切れるわけ?

そんな偉そうなこと言えるんなら、あなた何やってるのよ?

余談の余談:若者支援云々って言いたい人へ

この話をすると「若者にも支援をしろ!」みたいな勘違いをされることがありますが、これは種まきの話とは別の問題です。
今現在で売れてない人に対して経済的支援をするかどうかは、投資に対する回収期間や効率の話になってきます。要は資本の使い方なわけですね。
資本の使い方は短期中期長期で使い方が変わってくるので、場合によっては若者への支援が最適解になるケースも少なくないです。

よって「売れてるものが良いものだ」と「まだ売れてない人にも支援をしたほうがいい」は考え方として両立しますし、別のレイヤーでしたほうがいい話です。

結論: 資本主義とSNSはクソだけど、感想で対抗するしかないよね!

まあわかりますよ。金と数字でしかものごとを評価できない資本主義がクソってのは私もさんざんnoteで書いてます。作品の内容で評価してもらいたいってことも。

でも、そこまで自分の作品を愛してくれる人って、自分一人いれば十分じゃないですかね。他の人もいたほうが語り合えるのはそうなんだけど、みんな暇じゃないしな……。
まあ、現代は色々と孤独です。

金で評価されたくないんだったら作品の感想をSNSでも何でも書きましょう。
金で評価してるように見える人を気にすればするほど、SNSはそういう人をアルゴリズムで呼び寄せます。

金に左右されたくないんなら。
金以外に許されたもう一つの武器で、文字と感情を使って殴れ。

(まあ、感情を使って呼び寄せた人達ってのは、往々にして厄介事も引き連れてくるのですが……それはまた別の話)

というわけで、ぼくの作品を愛してくれて暇な人は、応援コメントをよろしくお願いします。
私の本の感想も、全部読ませていただいてます。うれしい。
いつもみなさんの応援のおかげで、私は生き繋いでおります。ありがたい限りです。

それでは。


キャラクターの創作費に使わせていただきます。