響の日々2

2024年4月
一人暮らしを始めようとうつったら三日目で熱が出た。ぐんぐんと体調が悪くなって、なんとか金曜をしのぎ、這うように実家に帰ったのであった。
それからは母も父も風邪をひき(ごめんなさい)、3人で身を寄せ合って生活した。
仕事は散々だった。お客様にも怒られ、本当に、散々だった。たくさん泣いて、でもたくさん頑張ってみて、そしたらたくさん助けてもらった。情けなくてありがたかった。「私達の反省でもあるのよ」出張先でお客様はそう言ってくれた。少し安心して、たくさん飲んだ。
そんなバタバタな4月、祖父が亡くなった。93だった。大往生だ。でも、1人で完全に自立していた祖父だったから面食らった。まだまだお別れは先だと思っていた。NHKマイルの予想、一緒にしたかったなぁ。
家を少し整理して、そうすると、彼は実はひっそりと弱っていたことがわかった。彼は今年免許の書き換えができず、心臓が弱くなり、体調が悪くなっていた。毎日書いていた日記も、今年になって空白があった。「歳を感じる」「心身が弱くなってきた」その日記に、少し泣いた。
でも最後まで1人で強く生きた祖父を、賢くてかっこいい祖父を、私は尊敬している。大好きな祖父だった。また会おうね、こっちで頑張ってるの応援してね。

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