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一番大切にしたいこと。


ちょうど1週間前に、前駆陣痛がきていると書いたけれど、残念ながら本当にただの前駆陣痛で終わってしまって、まだ赤子には会えていない。

都市部で緊急事態宣言が出された。住まいの街は緊急事態宣言の対象ではないものの、都市圏への移動が日常的に多い地域のため、リスクレベルは同様とする、と市独自の宣言が出された。

出産のために北海道に里帰りしてきているのだけれど、夫が北海道に来るには飛行機もしくは新幹線や車とフェリー等、公共交通機関を利用することになる。

元々、移動に時間がかかるため、立ち会い出産は諦めていた。初めての出産だし、本当は一緒にいてほしかったけど、「すぐ会いにいくね」と言ってくれたのを支えに過ごしてきた。

でもどうやら、その「すぐ」も叶わなさそう。夫に会えるのは、1ヶ月健診を終えてわたしが住まいの街に帰るときだろうと思う。生まれたてほやほやの、新生児期の娘には夫は会ってもらえない。

子供が好きじゃない夫。
どんな風にふにゃふにゃの赤子と接するのか見てみたかった。赤子に会って、抱っこして、四苦八苦する夫が見てみたかった。一緒に大変な思いをしたかった。おぼつかない手つきで抱っこしたり沐浴させる夫の動画を撮って、写真もたくさん撮りたかった。
出産お疲れ様って抱きしめてほしかった。

くそ、くそ、悔しい。悔しい。悲しい。寂しい。

夫の会社では割と早い段階で在宅勤務となり、宣言の後にまた期間が延長された。生活に必要な買い物以外、ほとんど外出せずに、人と会わずに過ごしているようだ。

それでも「自分のせいで、赤ちゃんに何かあったら堪らないよ、辛すぎるよ」と言われてしまえば、もう、会いにきてなんて言えない。

いつの間にか、夫にとっても赤子が守るべき大切な存在になっている。わたし達にとって今一番考えなければいけないのは、赤子のこと。わたし達の体のこと。これからのこと。

予約している搭乗予定日まであと2週間。キャンセル料はかからない。ギリギリまで悩むチャンスはあるけれど、親として子供のことを考えたなら、少しくらい辛くても我慢しなければ。

今、たくさん我慢した分、きっと後から報われるはず。来年のお花見は家族みんなでできるはず。






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