見出し画像

しげの珈琲工房

以前、押上(スカイツリーのふもと)で、とんでもなく美味しい珈琲屋さんに巡り合った。扉を開けると、6畳ほどの薄暗い店内に、焙煎された珈琲豆の香りが立ち込めている。お店の左側の棚には、セラーメイトの瓶に入った豆がずらりと並んでいて、豆の説明書きが貼られている。しかし、どうもそれを読んで自分で選ぶのは無粋なようで、マスターに好みを伝えて、おすすめを選んでもらうのが良さそうだった。

とにかく、そこのお店の名前を背負ったコーヒー、「しげのブレンド」が最高にウマかった。口に含んだ瞬間、焚き火のような香りと心地よい苦味が広がる。もうこれだけで幸せなのに、最後にふわぁっと甘みが出現する(ブラックなのに甘い…!)。苦いのに甘いコーヒーというのは初めてで、最後の一口まで感服のコーヒーだった。マスター曰く、「ぼくが飲みたいと思って作ったわがままブレンド」。どんな珈琲にも甘味は存在していて、それをどこまで引き出すかなのだそうだ。コーヒーそのものに、甘味が存在するなんて知らなかった。

家にも豆を買って帰って淹れると、美味しいんだけれど、何かちょっと違う。もう少し香りが立っていて、甘かった気がするのだ。同じ豆なのになぁ、と複雑な気持ちになりながらも、淹れ方でも味が変わるその奥深さに、奥深くて楽しい珈琲の世界を見せていただいた気がした。


しげの珈琲工房
住所   東京都 墨田区業平2-11-4
営業時間 10:00 ~ 19:00
HP    http://r.goope.jp/shigenocoffee
※2023年1月30日時点

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?