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どっちが得? - 押しが強い or 弱い

私は広義の意味での営業だ。ざっくり言うと、クライアント企業の抱える問題を解決することでお金をいただいている。
自慢だが、これでも成績は良い。

私が営業職に入ったのはアラサーの時。未経験職のスタートとしては、かなり遅めだろう。しかも、営業を始める前はバックオフィスだった。営業の真逆である。

正直なところ、当時の営業へのイメージは「押せ押せの話好き、いつも偽りの笑顔で相手のいらないものでも売りつけることのできるような人たち」だった。「押さない押せない、イラついたら感情を表に出しがち、相手のいらないものはバカらしくて勧められない」の私とは対極である。

しかし、不安の中始めた営業職は、思いのほかスムーズに軌道に乗った。さらに驚くことに、功を奏した理由の一つは、(私が勝手に思い描いていた)営業職の適正とは真逆の私の性格であり、コミュニケーションスタイルであった。

営業を受ける人は通常、グイグイ来る営業に辟易している。その中で私の押さない(押せない)スタイルが差別化に繋がったのだ。営業は無数にいる。営業を受ける人は、それらを十把一絡げに対処する。断るという形で。しかし、その無数の営業の中で、ガツガツ来ない妙なやつがいたから、「話だけ聞いてみようか」となったようだ。こうした奇特な方々が皮切りとなり、そこから紹介が紹介を呼び、成績を上げられたわけだ。
この場を借りて、みなさん、ありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いいたします。

ここで私が思うのは、私の特性は周りのアグレッシブな営業の方々がいるからこそ際立ったということだ。もし地球に一人しか営業がいない、つまり比較対象のない世界があったとしたら、私のような性格の者よりも、押しの強い者が成果を出すと思う。また、もし私のような性格の営業職が多く、イケイケなスタイルが少数派だとしたら、後者が物珍しがられ、はっきりしない態度の私のような営業が疎まれたかもしれない。


少数派であることを恐れてはいけない

私の小さな成功は、人の力を利用して結果を出すという合気道的な側面もあるようだ。とは言え、今の仕事を10年近くする中で、自分なりに少しイケイケサイドに持っていこうと試みたりもしている。「もっと背中を押してよ」というクライアントからの要望をよく受けるからだ。あまり押しが強くなっても自分の強みがなくなるので、ちょうど良い塩梅も今も模索中だ。

これからも「推すことはあっても押すことはない」くらいの塩梅で自分のサービスを売っていきたいと思う。




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