サッカーの記者は試合を見ているのだろうか?

以下、敬称略

ヨーロッパリーグ・アンデルレヒト戦。

久保は後半からの出場となったが、地元紙の評価はチームトップタイとなった。評価自体はある程度相対的なものあり、書いてある事実の面に関しては問題ないが、寸評に関しはかなり怪しい。

アンデルレヒト戦の久保は今シーズン始まって一番調子が良くなかった。

ドリブルはディフェンスに引っかけるし、パスの精度は怪しかったし、シュートはミートせず。ラリーガ(国内リーグ)の時ほどの久保対策を敷かれていなかっただけに、いつも通りの久保であれば楽に得点を決めることができただろう。

それから、メンデスとの相性が良いという記事もよく見られるが、明らかに悪い。久保に出せるタイミング、要求しているタイミングでパスを出していない。アンデルレヒト戦でもその状況が見られた。一体何を見て相性が良い・連携ができると思っているのだろうか。連携面で言えば明らかにセルヒオゴメスの方が良い。

ただ、久保との連携以外の面で言えば、フォーメーションにもよるがメンデスがファーストチョイスになるだけに、チームの最適解がどうなるかはかなり難しいところもある。

あとは、相変わらず昨シーズン後半以降の久保は調子が悪かったと思っているようだし、点を決めると調子が良いと判断するのは何かもう数字しか見ることができないのだろうなと思わざるを得ない。

野球であれば数字がダイレクトに選手の状態を表しているが、サッカーでは違う。それはサッカーのデータがITの進化・発達によってようやく充実してきたということからもわかる。

ついでに、久保が得点するとソシエダが負けないという不敗神話に関してだが、久保の調子が良いから点が決まるのではない。久保は基礎技術が高いので調子の波が小さい選手。つまり、久保ではなく、周りの選手が調子が良いと久保は点を取ることができる。周りの選手が調子が良いと久保のマークが甘くなるし、久保の選択肢も増える。良い形でパスも受けられるし、ラストパスも来る。

昨シーズン終盤以降は他の選手が調子が悪かった(レベルが低かった?)ために、対戦相手は久保対策をするだけでソシエダに勝つことができた。

特にバレネチェアの復調はソシエダの今後にとって重要になるだろう。

それからソシエダが勝てない理由としてもうひとつ大きな要素がある。
それはカウンターを決めきれないことである。

実を言うと久保は相手のコーナーをカウンターに結び付けるのが上手い。

最近ではベッカーへの超絶スルーパスや、レアルマドリード戦でサディクがドタバタドリブルからオフサイドポジションのベッカーへパスした一連のプレーの起点が久保。バレンシア戦ではオスカールソンの1点目の起点が久保である。

カウンターの起点な上に得点に結びついていないので忘れられがちだが、それを決められるようになるとソシエダは浮上するだろう。つまり、現状は久保の持ち腐れ状態であり、そういう意味ではオスカールソンに期待したいところである。

本当であれば、久保以外の選手が起点になり、久保がアシストもしくはゴールの役割に回れると良いのだが、現状のポジションの役割もある上に他のソシエダの選手だとそれが出来ないのでその点はどうにもならない。

いずれにしても、ソシエダは久保以外の選手があと少しレベルアップするだけでラリーガの上位チームになることができるだろう。

久保に関してはソシエダに残った以上、愚直に頑張る以外にないし、ファンとしてはただ応援するしかないという状況である。


何か最初に書いていたテーマと変わってしまったが、要するにサッカー記者の記事は、海外・日本問わず、事実以外は参考にすらならないと個人的に思っているということである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?