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自分で作るごはんって最高だ

私が今住んでいるオーストラリアは、物価がかなり高い。

その分給料も高いのだけど、そんなことを言ってもやはりあらゆるものが高くて、1年以上住んだ今もなお「げ…これこんな値段するのか…」とスーパーや店先で驚いてしまうのが日常。

わかりやすく言えばラーメンはどこも1,500円以上はするし、スーパーに売ってる日本で言うポテチみたいなスナック菓子も平気な顔して200〜500円くらいする。

だから、私はほぼ毎日自炊をしている。

周りからは「今日も昼ごはん作って持ってきたの?偉いね〜」とか「毎晩自炊してるのすごい」と褒めてはもらえるけど、こんなにも物価が高い国では自炊ほぼ100%で生きていかないと私の身(という名の経済力)が持たない。


思えば大学生の頃、実家を出て上京する時も「あなた本当に東京行って大丈夫?料理できないのに…」と身内から本気で心配されるくらい自分の身の回りのことを何もしてこない人間だった。

包丁を触ったのは高校の家庭科の調理実習が最後…というくらいのやばさ。

でも、それでも上京後はちゃんと料理をした。さすがに大学生で毎日外食する余裕なんてないから。
その習慣は社会人になっても続き、決して上手いとは言えないまでも自分が満足に食べれるくらいのものは作れるようになっていた。

それでもやっぱり、「あぁ〜今日は自炊したくないな〜面倒だな〜」となることもあって正直嫌々していたところもある。

私にとっての料理はあくまで「生きていくため」のものでしかなかった。

そしてオーストラリアで暮らす今、渡豪後からほぼ毎日自炊をしている。

でも、日本にいた時と比べて料理に対する気持ちがガラッと変わった。

毎日のようにへとへとになって仕事から帰ってくるけど、こっちにきてからは楽しみながら料理するようになった。今日料理するの面倒だな、なんて思うこともなくなった。


それに、最近気づいたけど自分で自分のために作るご飯ってとても美味しいんだなと思えるようになった。

これは別に「私、料理上手なんです」ということを言いたいわけじゃなくて、当たり前のことだけど自分で料理すれば自分の好きな味や量に好きなように変えられるということ。お店だと「これとこれいらなくて、あともっと濃い味付けで!お願いします!」なんてもちろん言えないから。

味付けも量もどんな具材を使うのかも、全部自分で好きなように決められておまけに美味しいって最高なんだなとこの年になってようやく気付いた。遅すぎる。

何よりも料理をすることで心がリフレッシュできるし、人混みが苦手な私にとっては外でガヤガヤして人が多い中食べるご飯よりも、家だと格段にリラックスして自分の好きなことをしながら食べられる。これって最高に幸せじゃん。

好きなラジオを聴いて、好きな動画を見て、そんな風に気ままにゆっくり食べる食事ほど幸せなことはない。

それに加えて、一日の中であらゆる喜怒哀楽を感じて、「あ〜今日はダメダメだった!」とか「今日も疲れた〜〜〜」とかあらゆる感情を抱えて帰宅して、一日の終わりに作るご飯が美味しくできるとその日抱いた感情がすべてプラスになるんだなと感じてきた。

「うん!今日も色々あったけど自分が作った今日のご飯美味しいし、明日も頑張れるな!」ってなってしまう。いかに自分が単純かが分かるけど、でも人生これくらいでいい。

ご飯が美味しくて、それに喜びを感じて、今日抱いた感情をまるっとプラスに変えてまた明日からも頑張る活力にする。

料理は経済的負担を軽くするためのもの、もはや料理することに何の楽しさも見出してなかった私が今では料理のレパートリーを増やそうとしたり、同じ料理でも味付けや具材を変えてみたり、料理動画をほぼ毎日のように見たり…仕事が終わって帰宅後、一日の終わりに待っていてくれる楽しいことが料理とまでに感じられるようになった。

「今日の夜ご飯何にしようかな」「今日はあのレシピにチャレンジしよう」なんてルンルンで考えるようになるだなんて、きっと日本にいた頃の私には想像できない。


自分で自分のために作るご飯って、けっこう贅沢で楽しくて美味しくて最高なんだぞ私。29歳、ようやく気づけました。

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