やっぱりすこしさみしいね

異動があり、今の職場での勤務が残り2日となる。今日と明日で、たくさんのさよならがある。別なところで働くという実感がなかったのに、みんなが挨拶にくるものだから、さよならが突きつけられてさみしくなる。
会えると思えば会える関係なんかじゃなくて、行ったら会える、そんな関係は実は尊くて短い。教室のクラスメイトとか、職場の同僚とか、同じ空気を吸った回数だけ、さよならがさみしい。
自分の登場人物がどんどん増える。それはさよならがどんどん増えていくことでもある。好きな小説に、別れてもその人が自分の中に混ざるという表現があった。僕の中に好きな人たちが混ざって、今の僕がある。
そんなふうに思ってみたりしたのだけれど、さよならはやっぱりさみしい。
散った桜ばかり見ていたから、強く照り輝いた新緑にびっくりした。もう少し待ってよと言いながら僕はひらひらと舞う桜を見ていた。

君に挨拶できるのも最後だと思うとさみしい

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