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居酒屋バイト奮闘記~人から学ぶ~

2月がスタートしました。飲食業からしたら、2月は特にこれと言ったイベントがないため閑散期とされています。まず寒い!出足が鈍ります。1月は新年会、3月は送別会があるのでお客さんはそれなりに来てくれます。
ですが、私の住む日南には広島カープがキャンプに来てくれるんです!本当にありがたい限りです。選手からコーチ、そしてカープファンの方々が連日お店に足を運んでくれます。そのおかげで2月は繁盛してます。感謝を忘れずに日々働こうと思います。

さて、今回は「人から学ぶ」をテーマに書いてみます。
今回は歴代のバイトの人からの学びが中心ですが、お客さんから学ぶこともたくさんあります。そういう学びがあって今の自分があります。そして「学ぶ姿勢」の大事さにも気付いたのでそちらもシェアしたいと思います。


業務全般の学び(M君)

私が本格的にバイトに入るようになった時、最初に学んだのはなんとネパール人の学生(以下M君)。介護福祉士の資格を取りに日本に来たそうな。まずその行動力が素晴らしい。日本語も上手だった。それに加えて仕事もできた。
高校生の時に居酒屋バイトの経験はあった私だったが、はるか昔のことで飲み物を注いだり注文を聞いたりしかできない、いわゆる「いないよりはまし」と言う存在だった。
M君は手際もよく、お店が忙しくなりだしても焦る様子もなく淡々と仕事をしていた。年齢的には私の方が上だったが、見て覚えて分からないことは聞いて覚えてと少しずつお店に貢献できる存在になっていった。
M君のおかげで今となってはマスターとママが作るもの以外はできるようになった。ありがとうM君!

そんなところにも気遣えるんだ(Nさん)

M君が卒業後に入ってくれたのがNさん。Nさんは2児の母。お昼の仕事もしながらの居酒屋バイト、大変だ。年齢的には2~3個上だったと思う。
M君のDNAを引き継いだ私は新しく入ってくるバイト生の教育係になっていた。
Nさんは愛想が良く、お客さんからも人気だった。
Nさんと一緒にバイトに入っている時、座敷の予約をしているお客さんの準備をしていた。座敷は畳になっていて壁に立てかけてある座布団を敷くまでが準備だ。座布団にはチャックがある。Nさんはそのチャックを全て内側(テーブルの下の方向)に向けて置いていた。
理由を聞くと「チャックが肌にあたって気になる人もいるから」と言った。
些細なことかもしれないがハッとした。まさにそんなことにまで気遣いができるんだと。それから私も座布団を並べる時は全部内側に向けて置いています。ありがとうNさん!

作業がしやすくなるために(A君)

私の知り合いの紹介でバイトに入ることになったA君。仕事を辞めて、次の職が見つかるまでのつなぎで来てくれた。飲食店の経験もある即戦力だった。しかも繁盛店で結構な修羅場もくぐってきたらしい。年齢は25歳くらい。

それは一緒に働いているとすぐに分かった。経験があるとはいえ、すぐに料理が作れるわけではなったが、飲み物を作るにしろ料理の提供にしろ、とにかく早い!そして自分がまだここまでしかできないという把握ができているためそれ以外の補助(こうしてくれてたら嬉しいな)を積極的にしてくれた。仕事ができるってこういう人のことを言うんだろうなという感じ。
動きでも学ぶ部分が多かったが、私が感心したのは少し違う部分だった。

バイトの時の服装はお店のTシャツに長ズボン。それに前掛けを腰に巻くスタイルである。私はこの前掛けをTシャツの上から腰に巻いていた。すると時間が経つとずれて巻き直さないといけないという、小さなストレスを感じていた。A君はそれを見越していたのかは分からないが、ズボンの上に直接巻いてその上にTシャツをかぶせる形だった。そうするとずれることはほとんどない。これも些細なことであるが積み重ねると巻き直さなくていいという時間的な効率も上がるし、小さなストレスもない、なんて快適なんだ!
そこかよ!というような学びだが、私にとっては大きかった。
A君ありがとう!

人が見ていない所でもやる(Rさん)

元々はお店のお客さんで、A君と同じく、仕事を辞めて次が見つかるまで働かせてくれないかと相談してきたのがRさん。すでにA君も職が決まっていて人手には困っていたので働いてもらった。年齢は32歳くらい。

Rさんは飲食の経験はなく素人ではあったが、それなりに人生経験があったので言われたことはこなすといった感じだった。我慢強く、根性あるなと思っていた。
そんなRさんもできないなりに頑張ってくれて本当に感謝している。
ある日、マスターと話している時Rさんのことを褒めていた。
内容はというと、お店には厨房からも見渡せる座敷と、奥座敷という掘りごたつになっている個室が1つある。
その奥座敷の片付けをしている時に、掘りごたつの下までしっかり見てたと言うのだ。見ると言っても体勢的には一度完全に横にならないと体が入らないし、汚れていた場合は下に入って拭くという他の座敷より手間のかかる場所である。
そこをRさんは誰かが見ているからとか言うわけでもなく、一人黙々と汚れていないか確認し、掃除していたらしいと。

私自身はどうだったのかというと、毎回徹底できていなかった。小さな子供さんが来た時などは、下に食べ物を落としたりする可能性が高いため見てはいたが、大人二人のお客さんだったりするとどこかで「大丈夫だろう」というサボり心があった。
Rさんからは”誰が見てるなどは関係なくちゃんとする”という仕事に対する姿勢を学んだ。Rさんありがとう!

接客半端ないって(Mさん)

この居酒屋バイト奮闘記を読んでいただいたら分かると思うが、以前の記事にも登場している先輩である。38歳。
マスターの地元の後輩で東京から仕事を辞めて帰ってきたらしい。前職はアパレル業界。その才覚はすぐに体感することになる。

歴代の誰にも言えることだが、入ってすぐにできる事といえば飲み物を注ぐことや注文を聞くことだ。Mさんもそれは同じ。同じなんだけど他の人とは違う。お客さんとのやり取りが今までの誰よりも上手かった。
少し冗談も交えつつお客さんを笑わせて、明らかに居心地のいい空間を作っていた。さすがと言うかもはや才能だ。
さらには座敷に座っていたお客さんが帰る時になると、靴が履きやすいように前に出すという、、ボサッと立っている私に比べたら天と地の差である。

そんなMさんの接客振りで、Mさんに会いたくて来店してくれるお客さんが出てきたくらいだ。もう学ぶというか敵わないなと言った方が正しい。
経験値が違うのはもちろんだが、果たしてなろうとしてなれるものかも疑わしく思っている自分がいた。
とはいえ私は今でも働いているので少しずつはアップデートせねばと日々精進している。
Mさんは今でもたまにバイトに入ってくれる。これからもMさんになれずとも近づけるように頑張ろう!

年齢に関係なく敬意を持つ(学ぶ姿勢)

各人に年齢を書いたのは、年上とか年下とか関係なく、敬意をもって接していれば学ぶことはたくさんあるということを伝えたかったからだ。

相手が先輩だとそれは自然にできるが、後輩となると変なプライドが出てきたり、自分の方がバイト歴が長いなど意地が邪魔したりする。

話は逸れるが、私は普段ジムでトレーニングをしている。
そこに来ていた年下の男性と会えば話すようになっていた。トレーニング歴は私の方が長くて出会った当初は初心者だった彼であったが、みるみるうちに体も大きくなりびっくりするスピードで成長していった。

現在彼は仕事を辞めパーソナルジムを経営している。そのため、私が通っているジムで会うことはほとんどなくなった。
ある日、スナックに飲みに言ったら偶然彼に出くわした。
その時言われたのが、「明らかに経験もあって年上なのに自分にトレーニングのやり方を聞いてくれた。それが嬉しかった」と。

話を戻そう。幸運なことに私には年齢に関係なく誰からでも学べるという姿勢がいつの間にか出来上がっていたようだ。
前にも述べたが年齢を重ねると変な意地やプライドが邪魔して素直に聞けなかったり、はなから学ぶ姿勢というものがなくなる気がする。

今まで挙げてきた人たちから学んだことも、大したことないと思うかも知れないしそんなものが学びなものかと思う人もいるだろう。
だが私は出会った人のおかげで今の私があるんだと思う。学ぶ姿勢さえあれば相手の年齢、自分の年齢関係なくいつでも成長できる。
これからも出会いを大切にして、自分を信じて学んでいこうと思う。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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