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メダリストが生まれるまちをつくる【前編】

福井県永平寺町は大本山永平寺を中心に歴史と自然が息づくまちです。2021年5月、永平寺町を流れる雄大な九頭竜川の下流にフリースタイルカヤックコース「ナミノバ」が完成しました。フリースタイルカヤックとは、川などの激流の中にとどまりながら技を競うカヤックの種目。荒れ狂う激流のなかでカヤックを操ることから、「水上のロデオ」とも呼ばれています。永平寺町に移住した松永和也さんはフリーカヤックのトップアスリート。「ナミノバ」誕生のきっかけをつくった人でもあります。

松永和也さん
兵庫県豊岡市出身。8歳の時にカヤックを始める。高校卒業後は福井大学に進学し、競技に転向。その後就職で福井県を離れたが、転職の際に縁があり福井鐵工株式会社に入社。2018年バルセロナで開催されたフリースタイルカヤックワールドカップでは第4位の実績を持つ。「ナミノバ」の立ち上げを通じて、永平寺町からメダリストを育てようと奔走中。
https://www.instagram.com/kazuyastyle.jp/

父親とともに始めたカヤック

兵庫県豊岡市出身の松永さんがカヤックを始めたのは8歳の頃。
父親とともにカヤックの練習に適した場所を求め、
全国各地の川を訪れていました。

松永さん(以下、松永):父親とカヌースクールの親子体験に行ったのがきっかけですね。最初は父親がカヤックにハマったのですが、僕は練習に行くのがいやでいやで仕方がなかったんです(笑)。当時は子供用のカヤックがなくて大人と同じ3メートルくらいのものしかなくて。小さい頃は小柄で細かったので、パドルは重くて太いし、小さい身体で扱うには体力がなかったんですよね。

それでも父親に連れられてカヤックは続けていたのですが、大きくなるにつれて身体も成長し、道具を使いこなせるようになってきました。技ができるようになった頃から、カヤックの面白さがわかるようになってきましたね。

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「カヤックの魅力は水との近さ。波と一体になる時間がいいんですよね。技が決まった時の爽快感はやみつきになります」と松永さん

競技に転向し、トップアスリートへ

高校卒業後、福井大学に進学した松永さん。
大学に通いながら各地の競技に出場するようになり、
週末は全国各地の川を訪れ練習する日々でした。

松永:たまたま進学した先が福井でした。特に「都会に出たい」という気持ちはなくて、カヤックが練習できる場所に行きたい思いの方が強かったですね。当時、カヤックの練習場所といえば岐阜県を流れる長良川が有名だったのですが、福井なら比較的近いので、便利だなと思って(笑)。これまではいつも父親に連れて行ってもらっていたのですが、自分で車の免許を取って自由に移動できるようになったことから、競技に転向しました。

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激流の中にとどまりながら操艇技術や繰り出す様子は、まさに「水上のロデオ」

以降、メキメキと頭角をあらわし、
トップアスリートの仲間入りを果たした松永さん。
就職で福井を離れた後も
仕事と競技の両立をしつつ競技生活を送っていましたが、
たまたま福井に本社がある会社への入社が決まり
2017年再び福井へとやってきました。

松永:会社にスポンサーとして協力いただき、入社後も平日は仕事、週末は競技といった生活を送っていました。でも競技を続けるなかで練習場所の不足を感じるようになっていたんです。カヤック種目のなかでも特にフリースタイルカヤックの練習に適した場所は、1年を通じて川にある程度の水量があることや波が立つこと、岩の配列などが重要なのですが、国内でしかも天然の場所で条件が揃うところはなかなかなくて…。

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「練習場所があればカヤックを始める人ももっと増えるのになぁと思ってました」

ここでカヤックの国際大会が開けるかもしれない

そんな時、松永さんがふと目に止まったのが
永平寺町を流れる九頭竜川のあるポイントでした。
支川吉峰川との合流点で、近くの発電所からの放水が
年間を通じて毎秒60トン以上(最大毎秒80トン)
安定的に流れている場所を発見したのです。

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安定的な波もカヤックの練習には欠かせない条件の一つ

松永:比較的市街地に近い場所でありながら、これだけの豊富な水量が1年を通して安定して流れる場所は全国でもまずないなと思いました。ここでカヤックの練習や競技ができるようになれば、国際大会が開けるかもしれないと思って。たまたま会社の飲み会で「カヤックの練習にいい場所があるんですよ!」と話題に出したところ 、事態が急展開したんです。

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何気なく飲み会で語ったことをきっかけに、松永さんも予想していなかった事態へ。後編では、「ナミノバ」誕生秘話と松永さんが今後実現したいことについて迫っていきます。

※記事の内容は取材当時のものです。

ナミノバ
住所:永平寺町中島
https://paddlingvil.jp/

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