都会の中で自然を感じたい

私は比較的都会に住んでいる。
交通量が多い大通りに面した築40年のマンションの窓際で、この記事を書いている。

この時期、とても心地良い風が吹いている。
私は、風が大好きだ。だから窓を開ける。
しかし、車の走る音やバイクの音。それだけでなく、救急車やパトカー、宣伝トラック、右翼やイエス様がどうのこうの等、とにかくバリエーション豊かに煩いのだ。
もう15年程、此処に住んでいる。
20代前半で選んだこの場所。
アラフォーとなった私からすれば、ごちゃごちゃし過ぎている街かもしれない。
もう少し落ち着きのある所に引っ越したい…と思いつつ、引っ越し資金を貯める事が全くできずに月日が経ち続けている。

それはさて置き、そういった環境で生活していても、どうにか自然を感じたい！と思う今日この頃。
もちろん、どこか自然豊かな場所に出掛ければ良いのだが、日々の生活の中で感じたいのだ。
そこで考えた。
まず、そもそもどこに住んでいても、空がある。風がある。
そして、私は空と風が大好きだ。
当たり前だが、空は毎日毎日違うのだ。風も違う。
特に都会に住んでいると、空や風にあまり意識が向かない人も多いのではないかと思う。
視野が狭くなっているのではないか。
もっと感じられる。本当は。
自分が意識さえすれば、本当は周りに自然は存在しているのだ。

この記事を書く前に、近所を散歩していた。
公園でトンボが飛んでいた。
その公園は、ビルやマンションに空が遮られていない。この辺りでは数少ない貴重な場所だ。
あまり雲がない美しい水色の空。
飛行機を見つけた。
子供の頃、ド田舎という程ではないものの、畑がところどころにあるような、山も近くに感じられる場所に住んでいた。遮る建物もあまりなく、自然と空を見ていたから飛行機にもよく気付いていた。
この都会で過ごしていて、あの飛行機に気付いた人はどれだけいるのだろうか。

いつでもどこでも、本当は自然を感じられる。
例え、背の高い建物ばかりの街であっても、私が見つけようとさえすれば感じられるのだ。

とはいえ、もう少し落ち着きのある場所に引っ越し、自然を感じられた方が素敵な生活だろうと思う。
そんな生活を夢見つつも、今住んでいる街が、いつの間にか人生で一番長く住んでいる街となり、引っ越し資金が貯まらない云々の前に、こんなにも煩く自然を感じにくい場所ではあるけれど、私は、とてもとても愛着を持ってしまっている事に気付く。