インタビューライターMihiroさんが語るインタビューの楽しさ
今回インタビューしたのは、現在インタビューライターとして活躍するMihiroさん。大学時代にインタビューの楽しさを知り、女性向けキャリアスクールSHElikes(以下、SHE)を通じて新たな出会いがあったとのこと。インタビューライターの経験を通じて得られた発見について伺いました。インタビューライターに興味がある方は参考にしてみてください。
大学時代にインタビューの楽しさを知る
ーーまずは簡単に、自己紹介をお願いします。
社会人5年目の27歳です。新卒で大手不動産管理会社でマンションの管理をしていて、営業として約4年働いていました。現在はフィットネス業界専門のメディア企業で広告企画や雑誌編集者として働いています。
ーー昔から書くことが好きだったのですか?
たぶん私は書くことが好きなのではなく、インタビューが好きなんだと思います。小さい頃からドラマが好きで、時代とともに移り変わる価値観に影響を受けてきました。他の人のこれまでの人生が書かれている本や、雑誌を読むのも好きでしたね。いろんな価値観に触れていたからこそ、自分も人々に価値観を揺さぶる発信をしていきたい気持ちがあったんだと思います。
ーー学生時代はどのように過ごされていたのですか?
小学校5年生から高校生までバレーボール部でした。ただ、膝の怪我が多くて。大学では別のことをやろうと決めていました。漠然と将来メディアにいきたいなと考えていて、メディアに関連がある部活入ろうと思っていたときに、ある先輩に出会ったんです。
先輩はすごく楽しそうに同じ大学の体育会の選手のことを語っていました。こんな先輩になりたい!と思った私はその先輩がいるスポーツ新聞編集部に入部を決めました。部活では自分で企画を立てて選手の想いにクローズアップした記事をつくったり、長期にわたるインタビューを経験したりととても楽しかったです。
ーー部活のなかでに印象に残っている出来事はありますか?
人生が変わったと思った出来事があります。私はボート部を担当していて、大学2年生のときにボート部の主将にインタビューする機会がありました。当時のボート部はインカレの決勝に残るほどのレベルではありませんでしたが、主将は「絶対優勝する」と意気込むとても熱い方でした。ボート競技は一人で漕ぐものもあれば数人で漕ぐものもあり、「チーム」が大事なんです。主将は練習方法を変え外部コーチを呼び、部の改革をし始めました。私はその主将の想いや考え方がずっと好きでした。
そんなある日、突然前向きな言葉を発していた主将から「実は……。」と今困っていることについて話されました。今までマイナスな話を打ち明けてくださらなかった主将が心を開いてくださったんですよね。そこから、聞けなかったこともさらに聞けるようになりました。
日々練習を重ねた結果、ついにボート部はインカレで準優勝までいきました。私もそのレースに立ち会ったのですが、ボート部の部員でもないのに思わず泣いてしまいましたね。次の年、その主将は卒業してしまいましたが、思いを引き継いだ後輩がついに優勝したんです。ドラマチックな展開で、とても思い出に残っています。
その主将とは今でも繋がりがあり、将来的には何か一緒に仕事ができたら良いなと思っています。インタビューって楽しいなと思えるようになったきっかけになりました。
働き方を見直すためにSHEに入会
ーー1社目の会社はどのように入社を決めたんですか?
小さい頃から漠然とメディア系にいきたいと思っていましたが、実はもう1つの軸でも選考を受けていました。大学で社会学の勉強をしていて、ソーシャルキャピタルや地方創生、まちづくりにも興味がありました。当時は「メディア=マスメディア」のイメージがあり、テレビ局や出版社の就職を考えていましたが、両方受けていくうちになんか違うなと。
不動産は建物が好きで希望する人も多いと思うんですけど、私の場合はソフト面に興味があったんです。人との繋がりや暮らしやすさに対する関心が強かったこともあり、ご縁があって不動産管理会社に入社しました。
ーーそこからSHEに入会しようと思ったきっかけは何だったんですか?
1社目はマンションに住んでいる人とも交流する機会があり楽しい日々でした。しかし、日々過ごす中で転機となった出来事が2つあります。
1つはドラマを見ていたときです。昔からドラマが好きで今もよく見ているんですけど、ある日心が動かなくなっていることに気がつきました。今までは感動したり悲しい気持ちになったりして泣いていたことに泣けなくなってしまっていたんです。
当時は土日出勤があり、休みも不定期で余裕がない生活でした。もともと感受性が豊かな方で、感動すると泣きやすい性格だったのですが、感情を失いかけている感覚に陥ったんですね。忙しさで自分の個性がなくなると思い、働き方を変えなければと思いました。
もう1つは好きだった人と別れてしまったときです。仕事で余裕がなく、相手としっかり向き合えなかったことが原因だと思っていて、そこから人生の優先順位がこれで良いのかな?と考えるようになりました。
SHEとは社会人3年目に出会いました。当時は「ライティングをしたい」よりも「自分のキャリアについて見つめ直したい」と思って入会したんです。受講していくなかで、インタビューを通して人やモノコトの魅力を伝えていくのが楽しかった日々を思い出しました。
発信がきっかけで仕事につながる
ーーSHEが思い出すきっかけになったのですね。副業の合同会社こたつでの仕事はどんなきっかけではじめられたのですか?
2020年7月にシーメイトフェスが開催され、私はイベントの当日の様子を発信をする側として参加させていただきました。シーメイトさんがいろんな分野で自分ができること・得意なことをギブするイベントだったんですけど、私はインタビューで人の想いを伝えることでなにかできないかと思い、応募しました。
イベントの前に運営参加者の集まりがあったのですが、そこで初めていっぽさんとお会いしたんです。いっぽさんとは大学時代のインタビュー経験の話をして、ライターをやりたいと思ってることを話しその場は一旦解散しました。
しばらくして、いっぽさんから「想いを伝えるライター」が必要とのご連絡をいただき、お声がけいただきました。いっぽさんは当時合同会社こたつさんのブランディングのお手伝いをされていて、私が発言したことを覚えていらっしゃったんです。SNSでもそうですが、自分がやりたいことを口に出して発信するって大事だなと思いました。本当に今でも感謝しています。
ーー口に出して発信するって重要ですね!実際やってみていかがでしたか?
視野が広がりました。合同会社こたつさんからは「パートナーシップや夫婦のことをメインで発信していきたい」と要望をいただき、そこで初めてご夫婦を対象としてインタビューをさせていただきました。今まで1対1のインタビューは経験してきましたが、2対1のインタビューは異なる難しさを感じました。
また、今まではインタビューをすることが楽しいだけで終わっていましたが、コンテンツマーケの知識も必要だなと思うようになりました。当時はまだ会社の発信がそこまでできていなかったので、ホームページやnoteにどうやって来てもらうか、どうしたら相手に届くかなど、試行錯誤しました。これは副業をしたからこそ、気づけた部分です。
ーーなるほど……。2対1のインタビューが通常のインタビューと異なるのはどんなところですか?
パートナーシップの話題って普段からお二人で話していれば気恥ずかしくないと思うのですが、わざわざ時間をとって話す人も少ないと思うんです。
例えば旦那さんに話を聞いている場合、奥さんが隣にいるなかで旦那さんの本音や深い話を聞けるかとか。聞き方も気を遣わなければならないですし、でも表面上だけの話だけじゃもったいないなと。バランスが難しかったです。
現在も同社に副業として携わっていて、今度11月22日のいいふうふの日に『#1122』というマガジンを創刊します。ご夫婦で活動されている方にたくさんインタビューをしていますが、パートナーが隣にいるなかで本音を話してもらうのは力量が必要だと思いましたね。幅が広がりました。
転職してインタビューライターに
ーー現在の会社はどのような経緯で入社されたのでしょうか?
当時は伝えることや発信することが好きだと思っていたので、広報・PR職とメディア企業での編集職の両軸で見ていました。でも転職活動をしていくうちに、けっこう立場が違うなと思いはじめました。
どちらも発信をしていますが、広報・PRは会社のことを様々な角度から発信する面白さがありますし、メディアはある分野やテーマがあって、合うネタ・企画を集めて発信していきます。
冷静に考えたときに、広報PRを本当にしたいのかなと思ったんですよね。編集や企画、インタビュー、取材の機会があるメディアのほうが自分には合っているんじゃないかと思いました。メディアの中でも紙とWeb両方学べる環境がいいなと考え今の会社に入社しました。
ーー入社してみていかがでしたか?
もともと約8000人いた会社から今は20人も満たない会社に転職しました。主体的にできる楽しさを感じましたね。「不動産の営業から紙の編集にキャリアチェンジ」とだけだけ聞くと「振り切ったね。」と言われますが、転職するまでにSHEや副業での経験があったので、自分としては入社したあとも大きなギャップはなかったです。取材やインタビューの機会があり、話を聞きたい人からアポをとって企画して。やりたいことができるようになったので、転職してよかったです。
ただ、今まで紙がメインでやってきた会社なのでWebができる人が少ないんです。現在Webのことを任せていただいているんですけど、両方やっているからこそ自分としては今後Webに軸足を移していきたい気持ちはあります。以前よりもやりたいことは実現できていますが、現状に満足せず、少しずつステップアップしてより自分がやりたいところに近づきたいなと思っています。
ーー常に新しいことに挑戦していく姿勢がすごいですね。Webに軸足を移していきたい理由は……?
1番は可視化されるところの魅力ですね。紙は読んでくださった方が感想を発信していれば響いていたところがわかるんですけど、そうでないと本当に届いているのか見えづらいんです。
Webは分析すると人の行動が見えて数字に表れるのがおもしろいところですね。企業の考え方としても、マーケティングを強化していて費用対効果を数字として可視化したい企業が多いんです。私自身紙の読み物は好きなんですけど、Webの拡散力は大事だなと思います。
インタビューを通して多様な価値観を伝えたい
ーー最後に、今後の目標を教えてください!
いろいろやりたいことがあるので、そのときやりたいことをやろうと思っています。これから先理想の働き方ややりたいことは変わってくると思いますが、その都度自分が心地良い暮らしができる選択をしていたいです。
私は結局、インタビューが好きなんですよね(笑)。インタビューライターを経験して、1つの価値観から開放されることで楽になる人がいることを知りました。様々な価値観を知り、自分らしく生きていける人を増やしていきたいです。
インタビューは書いた記事だけが価値を持つものだけではありません。インタビュー中の発見もあります。「私今こう思っていたんだ。」と新たな気付きをお互い得られるのも魅力だと思っています。
私は転職に踏み切るのに1年くらいかかりました。そして転職したあともやりたいことが出てきました。やりたいことは変わっていきますし、最初から言語化できるものでもありません。個人的には、過去の経験とも全然繋がっていなくていいんじゃないかなと思っています。行動すれば見えてくるものがあるので、やりたいことの軸を必ずしも決めずに、まずはやってみるくらいの気持ちで取り組んでいこうかと考えています。
ーー応援しております!本日はありがとうございました!
学生時代に楽しいと感じたインタビューの楽しさを社会人になって再認識したMihiroさん。
現在、仕事や働き方に悩んでいる方はMihiroさんのように「昔楽しいと思ったこと」に着眼点を置いてみると、状況を変えるヒントが見えてくるかもしれません。
また、Mihiroさんが携わられたフリーペーパー「#1122」が本日11/22(いいふうふ)の日に発行されます。Mihiroさん含め多くの方の想いが詰まった作品となりますのでぜひ手にとって読んでみてください。
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【 Information 】
「いい夫婦にはいい文化がある」
11/22(いいふうふ)の日に、フリーペーパー「#1122」発行
この数年はコロナの影響から、仕事や生活の在り方が大きく変化しました。あらためて人間関係や家族関係の問題、コミュニケーションにおける様々な課題が浮き彫りになりつつあります。
そんな時代において、夫婦という最小単位の社会構成で、どんなことを大事にしたり、どんなルールを設けているのか。そして、そこにはどんな文化が醸成されているのか。
夫婦にフォーカスを当てることで、夫婦関係だけでなく、社会における「関係性を築いていくヒント」が見つかる冊子になっているそうです。
合同会社こたつが運営するカフェ、サロンにて配布されます。ぜひ手にとってみてください!https://note.com/cotatsullc/n/n085c773d50a1
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