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ネパール生活から感じること#1 〜ダサイン〜

ネパールではダサインという大きな秋祭りがあります。日本でいうとお正月とお盆が一緒に来たかのよう、ネパール人にとって1年で最大のお祭りです。ダサイン前のカトマンズの町は市場で買い物をする人で賑わい、カトマンズに仕事のため出てきている人は家族のいる村にもちろん帰ります。

ダサイン中は休日が続き、お店もレストランもほとんど開いていない期間もあります。わたしはゆっくり休息できた期間となりましたが、ネパール人にとってはお家に来るお客さんのおもてなしなどに大忙し。

さてわたしが体験したダサインと感じたことを綴ります。


ダサインとは?

ヒンドゥー教のドゥルガー女神が魔神に勝利したことを祝うお祭り。お祭りの最終日は必ず満月で、今年2019年は9/29の新月から10/13の満月までの15日間でした。(月の暦によって毎年お祭りの日は変わります。)

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初日にはお家で大麦の種をまき、毎日水をやって10日目に伸びた芽を抜き、ドゥルガー女神の恵みとして髪に飾ります。

7日目から休日がスタート。

ドゥルガー女神が祀られいるお寺へ行きましたが、たくさんの参拝者が訪れていました。夜にはお寺はライトアップ。

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9日目、朝からご馳走を作ったり、乗り物にプジャ(礼拝)をします。

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またお寺では生贄のヤギや鶏が神に捧げられます。カトマンズから南に10㎞近く行く、ダクシンカリというお寺に行きました。たくさんの人々が神に捧げるためのヤギや鶏を持ち込んで、参拝するために朝早くから並んでいます。

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夜は大家さんのお家でご馳走をいただきました。ネワール民族の料理です。(ネパールはたくさん民族がいて民族によっても文化や習慣が違います。) バナナの葉っぱがお皿がわり。チウラという炊いた米を平たく潰して乾燥させた干し飯とともに、ヤギ肉がたっぷり、お豆やタルカリ(野菜)、ダル(豆のスープ)、じゃがいもやロプシーというネパールにある果物のアチャール(いわゆるお漬物)など。いつものごはんよりバラエティが多くてとても豪華。日本でいうとおせち料理のような感覚でしょうか。

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家族の中で年長者の方から順に並んで座り、食事をしました。

10日目、ドゥルガー女神が勝利した日。家族の中で年長者から祝福のティカをいただきます。

ティカとは額につける神の恩恵などを示す印。赤い粉を水で溶かし、米粒も混ぜています。民族によっては白色のティカをダサイン中につけるところもあるみたいです。

わたしもティカを受けました。

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ティカとともに大麦を髪に飾り、お金をいただきます。日本のお年玉のようですね。

11日目〜最終日まで、ティカを受けに親族の家々をまわります。

わたしはネパール語の先生や職場の方のお宅にティカを受けに行きました。次から次に親族が集まり、ごはんを食べ、喋り、、、ネパール人らしいみんなで賑やかに過ごす時間をわたしもともにさせていただきました。

職場の方のお家ではこの日は自分の家に親族が集まる日と決め、招きます。(この文化はネワール民族の文化です。) 伺った日は朝から晩まで約50人以上が集まったとのこと。

みんなでトランプで賭けをしています。誰が誰の息子娘で兄弟姉妹、いとこなのか、、、でもみんな集まればとても賑やか!

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家族、親族が集まる時間の大切さ

お祭りや行事にはネパール人は必ず家族や親族で集まり、食事をして時間をともに過ごすのを何度も見てきました。日本にいるとなかなか家族と過ごす時間がなく、お祭りや行事どきでも誰かがいなかったりします。わたしもお正月でも働きに行っていた経験が実際あります。家族と時間をともに過ごす大切さをネパールにいてあらためて感じます。

おもてなしの心

ネパール人は普段からも「お茶飲んで行って!食べて行って!」と声をかけてくれますが、ダサイン中はたくさんの親族が集まり、その際のおもてなしのごはんはすごい量です!特に女性は朝から晩まで1日中お客さんにお茶を出したり、ごはんを出したり大忙しです。サリー(民族衣装)を着てどんな時も笑顔でおもてなし。

わたしの日本の家には親族を含め、たくさんのお客さんが来ることがあまりないので、家でのおもてなしの方法を知らない。ネパール人の女性のようひたくさんの人が集まる場所でおもてなしができる人間になりたいと思いました。

文化や風習を守る

ダサインを肌で感じ、日本でもたくさんのお祭りや行事がありますが、ひとつひとつの意味など知らないことだらけだと感じました。

ネパールでは宗教に関連するお祭りがたくさんあり、また民族によってもお祭りや習慣など違います。普段から宗教や風習を大切にしているネパール人だからこそ文化が受け継がれていくのを感じます。

ここ最近ではお金があり、余裕がある方はダサイン休暇を海外旅行に行く人もいるのだとか。また、ダサインの時期あたりから気候もよくなり、海外からネパールにトレッキングや観光に来る人のために、観光地はお店を閉めずに営業したりすることがこれから増えるのでしょうか。これからさらに発展していくネパールで、お祭りの文化などどのように変わっていくのでしょうか。

ダサインの文化は時代が変わってもずっと受け継がれていってほしいとも思います。


さて10月末はティハールというお祭りがやってきます!どんなお祭りかまた楽しみです!


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