愛は世界を救う『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』レビュー
【概要】
監督 福田己津央
脚本 両澤千晶 後藤リウ 福田己津央
【あらすじ】
【見る前の気持ち】
学生時代に再放送で見て、その後まあいろいろあって20年ぶりの新作。
懐かしい気持ちになったので見に行ってみた。
【設定の説明】
この世界の人類には2種類いて、激しく対立している。
ナチュラル:通常の人間
コーディネーター:遺伝子操作によって生まれてきた新人類。
身体能力・知能いずれもナチュラルよりも上。
ただしコーディネーター同士では妊娠しづらい。
地球連合:ナチュラルを中心とした国家による同盟。コーディネーター
排斥をしたい過激派「ブルーコスモス」もいる。
プラント:コーディネーターによる宇宙国家。
ナチュラルを見下している人間も多い。
オーブ :日本っぽい名前の人たちがいる国。中立を保とうとした結果、
戦火でえらいことになった。
武器は持たないとか言いつつ、やべえ兵器をしれっと作ってる。
SEED
1作目。地球連合とプラントがやべぇ戦争して大変なことになった。
キラ君が友達の彼女を寝取ったけどその子が死んじゃって、新しい
彼女ができた。親友と殺し合ったりしたが、とりあえず停戦。
SEED DESTINY
2作目。地球連合とプラントがやべぇ戦争して大変なことになった。
シン君に彼女ができたけどその子が死んじゃって、新しい彼女ができた。
いつの間にか主人公ではなく敵役になっていた。
デュランダル議長の提唱した「デスティニープラン」は今作でも影響大。
デスティニープラン
誕生した時点で遺伝子を点検し、すべての人間にその資質に見合った人生
を強制的に選択させるというもの。
なお従わない国は戦略兵器で殲滅する。
⇒キラやラクスは「DESTINY」でこれを否定。戦闘の上でぶっ潰す。
<注意> ネタバレあります。
【登場人物】
■世界平和監視機構「コンパス」
キラ・ヤマト(保志総一朗)
19歳。准将。コーディネーターの中でも特に優秀な存在。
主人公。モビルスーツ部隊の隊長。強い。
うじうじとしている根暗さが個人的に嫌い。
ラクス・クライン(田中理恵)
20歳。コンパス総裁。コーディネーター。キラの嫁。
ヒロイン。プラントのカリスマアイドル。影響力が強すぎてヤバい。
こいつがやれと言えばプラント国民の大多数が従うレベル。
シン・アスカ(鈴村健一)
17歳。コーディネーター。キラの部下。
「DESTINY」の主人公だったはずが、キラのフリーダムを撃墜してから
すっかり悪役になった挙句、アスランにボコボコにされて敗北。
今作ではすっかりキラに心酔している。個人的には一番好きなキャラ。
ルナマリア・ホーク(坂本真綾)
18歳。コーディネーター。キラの部下。シンの嫁。
相変わらずのミニスカ制服で頑張るしっかり者。結構好きなキャラ。
なお、中の人たちも夫婦。
アグネス・ギーベンラート(桑島法子)
18歳。コーディネーター。キラの部下。新キャラ。
自分の魅力にたいそうな自信があるらしい。
マリュー・ラミアス(三石琴乃)
29歳。ナチュラル。数多の戦場を駆け抜けた伝説の艦長。
魔乳も健在。
どうでもいいけど、ほぼほぼヱヴァのミサトさんだよね。
ムウ・ラ・フラガ(子安武人)
31歳。ナチュラルだが天才。『エンデュミオンの鷹』。パイロット。
死んだはずが生きていたり、記憶を消されたり戻ったり、奇跡を起こし
たりする頼れる兄貴。マリューの旦那。
■情報機関「ターミナル」
アスラン・ザラ(石田 昭)
20歳。コーディネーター。キラの親友でラクスの元婚約者。
「SEED」で父親が大暴走して戦争したり、「DESTINY」で自分の判断が
ことごとく裏目にでたり、苦労人。
メイリン・ホーク(折笠富美子)
17歳。コーディネーター。ルナマリアの妹。
以前はツインテールだったが髪型変更。
アスランに横恋慕しているようだが、アスランは朴念仁なので・・・。
ヤバ目のハッキングとかしてる。
■オーブ
カガリ・ユラ・アスハ(森なな子)
19歳。オーブの首長。ナチュラル。キラの双子の姉。
かわいい。アスランの嫁。
■ファウンデーション王国
新興国家。最近独立したが、まだ色々ごたごたしているらしい。
世界観と妙に合わない妙な貴族趣味的。
アウラ・マハ・ハイバル(田村ゆかり)
50歳(⁉)。見た目は幼いが・・・。中の人ネタなのか?
オルフェ・ラム・タオ(下野 紘)
20歳。宰相。有能らしい。
シュラ・サーペンタイン(中村悠一)
18歳。近衛隊『ブラックナイトスコード』隊長。
イングリット・トラドール(上坂すみれ)
20歳。オルフェの秘書。
【よかった点】
① シン無双
終盤のシンとデスティニーガンダムの大暴れは必見。
『DESTINY』の後期主人公機のはずがラスボスにされてしまった不遇のキャラと機体が完全復活。掌底ビーム(パルマフィオキーナだっけ?)も使ってたし、正直感動で涙が出てきた。
② 格好いいアスランが見られる
公開前には「また裏切りそう」とか言われていたが、裏切らないし迷わない、強くて格好いいアスランが見られるのはいい。苦しんだ分キラやシンよりも精神的に成熟しているのかな。終始強キャラを維持していて頼もしい。
③ 思いついたこと全部盛り?
ストライクフリーダムの強化や上記デスティニーガンダムの活躍、ムゥ+アカツキ登場に加えて、アスランは最終決戦もズゴックかよ(笑)⇒中からジャスティスガンダム!は最高でしたね。サイズ的に無理あるだろとは思ったが・・・。まあ勢いがあるので良し!
イザークとディアッカがミーティア装備で出撃したりも良かったね。
シン無双シーンでもあの分身はやりすぎだと思うが、思い残しが無いよう、全部入れ込むという強い意志を感じた。
④ 唐突にドスケベスーツ
ラクスの宇宙スーツ姿が凄かったですね。唐突に登場してやたら
ぷりんぷりん揺らしてきた。おっさんはうれしい。なくてもいいけど。
【悪かった点】
① 新キャラの敵役の魅力が少ない
なんか・・・気持ち悪い。どいつもこいつも。
『DESTINY』のデュランダルの二番煎じみたいなやつらに、同じく『DESTINEY』の3バカと同じような奴ら。まあ伝統と言えば伝統。短い時間で目立たせるという意味ではありなのか。
個人的に一番嫌いなのはアグネス。軍人のくせに恋愛脳、自分の思い通りにならないとあっさり別の男に走る。ああ、キモイ。TVシリーズでしっかり掘り下げれば『ガンダムZ』のレコアさんくらいにはなれたかも?
② 精神攻撃対策が×
今作の敵パイロットは相手パイロットに対して思考を読む、一時的に洗脳するなどの精神攻撃をしてくるのが特徴で、キラもラクスもこれに苦労させられた。
最終決戦では対抗するわけだが
シン:極度に集中することで思考せずに戦闘⇒精神支配には『DESTINY』の悲劇のヒロインだったステラの魂がシンを守る
⇒まあ良し
アスラン:戦闘中に嫁のあられもない姿を妄想することで対抗⇒実際の戦闘は嫁が遠隔操作
⇒いや、カガリさん強すぎませんかね?
精神攻撃能力が強すぎて、ギャグにしないと攻略できなかったのかな。
③ キャラデザ
メイリンのツインテールがなくなったとかはどうでもいいんだが、なんかケバい。女性キャラの唇の表現が微妙でつねにおちょぼ口しているように見えるのが気になる。
【まとめ】
20年ぶりの新作ということで、やりたいことをゴリゴリに載せてきた濃度の高い作品でした。
当然シリーズを知っていることが前提だけども、まあそれは仕方ない。
前半の展開、敵の思想、責任ある立場にも関わらず愛だのなんだの言い合っていてしんどい時間が続きましたが、後半の戦闘シーンがすべてを吹き飛ばす。個人的にはとても楽しめました。
「必要だから愛するのではない。愛するから必要なのです」はいいセリフ。効率とかばかり考えてると人生楽しくないよね。
しかしこの世界はいつまでたっても平和にはなれないね。2人種の分断が強すぎる。
ラクスが暴走を始めたらいよいよ誰にも止められなくなるので、対策をしておかないとね。
イザーク、早く政治家に転身しろ。
ちなみに個人的には「デスティニープラン」を緩やか実施、100年くらいかけてやっていければ多少はマシな世界になっていくと思う。自分の得意分野を教えてくれるのは結構ありがたい。強制されるのは勘弁だけどね。
革命家は過激なことをやるからダメなんだ。
評価 ☆4 ファン向けだが、ファンは満足する優作
【改善案】
アグネスが不快なので、抹消。
キラとラクスのすれ違いはアグネスがいなくても描写できる。
そうするとルナマリアの終盤の相手がいなくなるが、
そこはキラとの夫婦コンビネーションで大暴れすればいいじゃない。
⇒これだとアクが無さすぎて良くないな。
やっぱガンダムにはエキセントリックな女キャラが必要だね。
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