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教育の大前提!『能力』ってそもそも何?


今回の記事はこちら、OECDのワーキングペーパーを参考にしています




そもそも能力(スキル)とは?

感覚的には分かるけど、説明しろと言われると意外と難しい、人の『能力』。改めてまとめてみます。

能力
①物事をなし得る力。はたらき。 ②〔心〕心身機能の基盤的な性能。「知的―」「運動―」 ③〔法〕ある事について必要とされ、または適当とされている資格。「権利―」「―者」

広辞苑

広辞苑的には、生物としての基盤から、資格という付加価値まで、かなり広い範囲を指すようです。

また、OECDはスキル(能力)を

個人のウェル・ビーイングや社会経済的進歩の少なくとも一つの側面において影響を与え(生産性)、意義のある測定が可能であり(測定可能性)、環境の変化や投資により変化させることができる(可鍛性)個々の性質

OECD

であると定義しています。

つまりスキルは
①役立つし、
②評価できるし、
③向上させたり低下させたりできる
ものだということです。

ここで意識しておきたいのは、能力は『向上させる』ものではなく『変化させることができる』ものだということ。

この言い回しが、あとで効いてきます。


認知的スキル(認知能力)


認知能力とは、脳にできることのうち、数値化しやすい能力のこと。

一番分かりやすい例が、テストの得点や偏差値です。アタマのチカラと言い換えてもいいかもしれません。

OECDはより詳細に、次のように定義しています。

知識、思考、経験を獲得する精神的な能力。また獲得した知識を基に解釈し、考え、外挿する力。

①基礎的認知能力
ーパターン認識
ー処理速度
ー記憶

②獲得された知識
ー思い出す
ー必要な知識を選択する
ー解釈する

③外挿された知識
ー考える
ー推論する
ー概念化する

に分けられる。

OECD
外挿(がいそう)
ー 既知のものから未知のことを推測•予測すること


覚えたり考えたり、学校や塾でがんがんやるやつですね。


社会情動的スキル(非認知能力)

対して非認知能力とは、意欲、自信、忍耐、自立、自制、協調、共感など、生きていく上では欠かせないが、数値化が難しい能力のことココロのチカラと言い換えてもいいかもしれません。

社会情動的スキル
(a) 一貫した思考・感情・行動のパターンに発現し、(b)フォーマルまたはインフォーマルな学習体験によって発達させることができ、(c)個人の一生を通じて社会・経済的成果に重要な影響を与えるような個人の能力。

①目標の達成に向けた力
ー忍耐力
ー情熱

②他者と協働する力
ー社交性
ー敬意
ー思いやり

③情動を制御する力
ー自尊心
ー楽観生
ー自信

OECD

個人の一生を通じて社会・経済的成果に重要な影響を与える』ので、やっぱり大事です。

また、『フォーマルまたはインフォーマルな学習体験によって発達させることができる』といことは、意識的にも無意識的にも発達する可能性があるということです。

私の目指す第3の教育(仮)は、ここを利用します。

子どもたちが無意識にやってしまうようなことを意識的に行う。つまり、楽しくてやめられないことを、意識的に教育に利用する。そのための仕組みを作りたいと考えています。

追記

実は、社会情動的スキル(非認知能力)は、高ければいいというものではありません

例えば、高すぎる『自信』は成長を阻害するなど弊害があります。また、自信が低すぎる場合、『慎重さ』としてポジティブに言い換えることもできます。

認知的スキルと違って、「伸ばせばいい」というものではないところが難しい。

とにかくバランスが大切なので、やはり専門的に成長をサポートできる教育機関が必要です。

なので、作ります!

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