インスタント・デビル
ここは魔法が発達した世界。皆、魔法と共に生活を送る。それは表の世界だけではない、裏の世界もまたしかり……。
薄暗い部屋。一人の少女が魔方陣の中に立っていた。魔方陣に自らの血を垂らす。
瞬間!
部屋中を赤い閃光が包み込む。少女は光に耐えかねて目を瞑る。
「冗談だろ……召喚したのオマヘか?」
目を開くと悪魔いた。
「こんな小娘に召喚されるなんて……終わった!」
「失礼ね! 召喚に応じた時点でアンタは私の使い魔でしょ!」
「おい、オレを呼ぶ意味分かってんのか?」
「対価=命」と少女は一切躊躇せず言い切る。
「ハハ、面白い小娘だ! 何故呼んだ?」
「殺したいヤツがいる!」
パチパチパチ! と悪魔が少女に向かって拍手を送った。
「いいね! テンプレ‼ 手垢ツキまくりの展開だ! 心配するな読者は王道好きだ! で、そいつの名前は?」
「インスタント・マジック社CEO兼魔術研究室所長……」
少女は憎しみを込めて敵の名を唱えた。
「キース・ダミヤン」
【続く】
読んでいただいてありがとうございます。面白い作品を作ってお返ししていきたいと考えています。それまで応援していただけると嬉しいです。