青春は忘れた頃にやってくるのだ。
普段観ないテレビをリモコンに手を伸ばしスイッチを押して見る。とりとめのない番組が時間の流れと共に流動していく。しかしあるCMが目に入った時、僕は完全に心を奪われた。
「JR SKISKI」だ。
わずか15秒であれだけ心奪われるCMが他にあるだろうか。我々は二度と戻れない10代の純粋で純朴な「あの頃」の自分を思い出し投影しているのだ。
キュンとする思いをはるかに通り越す言葉にならない感情はCMが終わっても心のど真ん中に静かに居座る。
心地良さとともに。
毎年CMのキャッチフレーズは話題を呼ぶ。なかでも「全部雪のせいだ」は当時ソーシャルの世界でも大きく話題になった程だ。
自分自身、いわゆる青春時期の10代はやっていないことはないぐらい謳歌した。そんな自分ですらこの15秒間には羨望の思いを感じずにはいられない。
都会のビルから首都高速を眺め窓ガラスに映る自分の顔を見る。あの頃憧れていた大人になった自分はある種「自由」を手に入れることは出来たがもしかしたら自由という名の不自由なのかもしれない。
最近お腹をかかえて笑ったのはいつだっただろうか?
友達は何人増えたか?
最近、告白したか?
友達と喧嘩したか?
我々は知らぬ間に合理的な解決策を社会の中で学びいつからか「純」を忘れるのだ。
青春は忘れた頃にやってくる。
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