小説 ハンドクリーム出しすぎ
「ハンドクリームを出しすぎてしまったのでもらってもらえないか」という「ハンドクリーム殺法」で意中の相手の手を握り、あまつさえ揺すったりさすったりすることで何人もの恋人を射止めてきたわたしだったが、最近、同じハンドクリーム殺法の使い手が現れたのでたまったものではない。
「あなたはなんのハンドクリームを使っているのかしら。あら、安いやつなのね」とせせら笑うライバル。
「ヒアルロン酸が入ってるって書いてあるからいいでしょうが」と歯噛みするも、ライバルの使っているハンドクリームは