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ものごとの本質を見極めるための、「切り取り」と「つながり」の考え方。

こんにちは。RELATIONS代表の長谷川です。

最近の会議で、話が噛み合わない場面に出くわしました。ある人は自分の事業部の最適化観点から発言し、もう一人は、全社最適化の視点から発言しています。堂々巡りで、話がまったく噛み合わず、周りも疲れ始めている。

親しい体験をしている読者の方もきっと多いのではないかと思います。この場合にどういう視点から物事を見ているのかを自分の中で気づくために、「切り取り」と「つながり」という思考法は役に立つかもと思い、noteに書いてみます。

どんなケースに使えるかを少し例示してみます。

例えば、人間のタイプ。
利己的と言われる人の傾向として、「自分という対象」で切り取って物事を考えることが得意という特徴があります。一方で、利他的な人は、自分だけでは切り取らずに、他者とのつながりからものごとを捉える傾向が強いです。

例えば、社会的な思想。
国という単位で切り取って物事を思考していくことは、ナショナリズムです。国という境界を取っ払って、「世界」という、まるっと大きな視点から見ていくことがグローバルリズムですよね。

この「切り取る」と「つながる」は、どちらのほうが優れている、とか、正解である、ということではありません。

「切り取り」も「つながり」も、思考における焦点の当て方であって、どっちも視点も行き来して、考えていくといろんな視点が明らかになってきます。

それぞれの特徴を見てみましょう。

切り取るという行為は、「切り取った対象においての思考をしやすくする」とも言えます。切り取った対象は何を求めていて、何を実現したいのか?そこを切り取ってはっきりと明確にしていくことで、その範囲内における目的や優先順位は決めやすくなります。

一方で、つながりを見ていく行為は、より広範囲な視点から捉えることで、多面的にものごとを見やすくなります。切り取った視点からは全く見えてこなかった「さまざまなステークホルダーとの関係性」を考えると思いも寄らない事実が浮かび上がってくることがあります。そして、同時に優先順位の曖昧性は高まりやすいという特徴もあります。

こういった傾向は、人の思考特性ともリンクすることになります。思考にも癖ができてくるのです。

どちらかの見方しか持ち合わせていない場合、「世界は自分が見ている思考特性から成り立っている」と勘違いし、偏った判断をしがちになります。

このような固定された見方が、他者との「分かりあえなさ」を生むように思うのです。

「分かってはいても難しい」と思われるかもしません。しかし、現時点では視点を切り替えるスキルを持ち合わせていなくとも、後天的にトレーニングでいくらでも鍛えることができます。

ある時は切り取り、ある時はつながりから捉え、両方の視点を明らかにしながら、その上で統合する。同時に対話しているときにも、どの視点から見ているかを添えてあげると堂々巡りになっていくことも避けられると思います。そうやって対話を続けていくと、ものごとの本質をより深く見つめられ、より共創的な対話へとつながっていくでしょう。

では、今日はこんなところで。

ええ一日にしていきましょう。

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