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歴代本屋大賞を読み漁るの巻~大人の読書感想文~

昔からそれなりに読書を愛してきた方ではありますが、ここ最近の私の読書欲はちょっとドン引きするくらい凄まじい。息をするように本を読んでます。図書館の近くに住んでいてよかった。


5月頃。父のオススメで今年(2024)の本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』を読み、今更ながら「やっぱり本屋大賞って面白い!!」と気づいたので、過去にさかのぼって読んでみることにしました。

夢は、大賞受賞作品の全制覇(すぐ叶いそう)。その後は、本屋大賞2位…3位…と範囲を広げていきたいな。

以下、読んだ本の紹介と感想を少しずつ。

『成瀬は天下を取りにいく』 宮島未奈(2024)

大津出身の女子中学生(作中で高校生→大学生へとどんどん成長していきます)、成瀬あかりが天下を取りに行く話。読み終わる頃にはすっかり彼女のファンになっていることでしょう。

滋賀県大津市が舞台の本ですが、滋賀県民じゃなくても十分楽しめると思います。

何より主人公・成瀬のキャラクターが実によい。物怖じしない、失敗を恐れない、有言実行、行動派、そして賢い。すっかり虜になってしまいました。

私もこんな風に堂々と生きよう。

ちなみに続編も出ています。

成瀬、あんた最高に映えてるよ。

私はこのセリフがとっても好き。


『汝、星のごとく』 凪良ゆう(2023)

職場の同僚がオススメして貸してくれた1冊。初めて手に取る作家さんだったけど、心情描写が繊細かつ大胆で魅せられました。

登場人物たちを取り巻く環境がなかなかに凄惨で、やるせなさに胸を痛めるシーンもあります。読み進めるのが苦しい場面もあり、息が詰まりそうにもなりましたが、なんだかんだ1日で読み終えてしまいました☆

登場人物それぞれに、ちょっとずつ共感できる部分があって、いい意味でも悪い意味でも、「人間ってそういうとこあるよねぇ…」と、痛感しました。

すべてが上手くいけばいいのに、そんな風にはいかなくて、それら全部ひっくるめて抱え込んでも、「自分で選んだ人生だ」と言える人生を、私は送ろうと決意しました。

作者の凪良ゆうさん、名前に「凪」と入っているだけあって、海と物語を絡めるのが上手。場面描写でも心理描写でも。

こちらも続編?があります。

同じ人間がひとりとしていないように、彼女の苦しさや喜びは彼女だけのものだ。誰かと比較して上下を決められるものではなく、それぞれが、それぞれに『わたしは苦しい』『わたしは嬉しい』と感じる権利がある。一般的に『喜び』や『苦しみ』とされているものはおおざっぱな目安というもので、無理になぞらえる必要はない。

ぼくはどんな人間なのか。なにを欲しているのか。どう生きたいのか。正答はなく、年を重ねるほどに選択肢は増え、ぼくの海は拡大し続け、混迷と共に豊穣をも謳いだす。

北原先生、好き。

『同志少女よ、敵を撃て』 逢坂冬馬(2022)

coming soon (今、読んでいます)

『52ヘルツのクジラたち』 町田そのこ(2021)

ちょっと涙なしには読めなかったです…。読み進めるのが苦しすぎました。

なかなかヘビーなテーマを扱った小説で、考えさせられることもたくさんありました。

なんで誰にも言わずに、一人で苦しむの?とも思ってしまったけれど、そうじゃないんですよね。声を出しても、誰にも聞き取ってもらえなかった。

52ヘルツで鳴くから。

この子も、あの人も。

『流浪の月』 凪良ゆう(2020)

再びの凪良ゆうさん。『汝、星のごとく』『星を編む』よりも後に読みました。

凪良ゆうさんの作品には、決まって、マイノリティと呼ばれる性的指向の人と、親に恵まれない子どもが出てくる。

感情移入しがちな私は、かなりえぐられました。

こんなの、辛すぎる。切なすぎる。

ひどく素直な告白だった。ひとりのほうがずっと楽に生きられる。それでも、やっぱりひとりは怖い。神さまはどうしてわたしたちをこんなふうに作ったんだろう。

そんなことを思うわたしの心も、また少しずつ変化している。

朝井リョウさんの『正欲』にも少し似たものを感じます。

それぞれに抱える傷は違えども、理解し合える人間が少ないからこそ、お互いとの繋がりを感じられる。他人には理解できない、絆。

正しさを押し付けられるのは、もはや歪なのではないか。

もう、読む前の自分には戻れません。

まとめ

ひとまず最新の5作品の紹介&感想でした。

『同志少女よ、敵を撃て』を読んだら、まとめもアップデートします☆

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