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無言

白い花々と獅子座の首星との対話から八十年 夜空の左と右で稲光が呼応するのを見る 今日は一人、汗に濡れ痛みを踏みつけ道を行くばかり 一人行く道に浮かぶ言葉はなし

    • 短歌2023/08/26

      道すがら火薬が臭うのみ花も実もなき晩夏の闇夜 蝉が絶え虫は静まり灯は遠く河に音無く稲妻二人落ちる

      • 酔うでもなく素面でもなく夜半モニタを眺め 誰かが遊ぶ声を聞く 休日夜の 悪あがきの音 せめて蛙でも鳴いてくれればと思うが 騒がしさが恋しいのか 蛙に囲まれていた頃が懐かしいのか 潰れた蛙の遺った脚の つるんとした有様を思い出しても もう何も思わないけれど