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日記〻風吹いて夜の匂いと雨しぶき

3日坊主でも大丈夫、3日間で区切る日記をつづける。


5月11日 (水) 晴れ
映画「カモン カモン」を観たので圧倒的多幸感。
あんなに優しい映画が世界各地で上映されていくという事実だけでとても救われる。ああ、まだぽかぽかする。


5月12日(木) 雨
自分が思っている以上に他者は、自分を見ているという事を実感した日。
大丈夫、と言った後に、そんなに大丈夫じゃないでしょう。と否定してくれる人がいる安心感と救い。少し涙目になってしまった。
それとずっと考えている写真や映像が持つ加害性について、知見が書いてある書籍を読みたくて探している。


5月13日(金) 雨
映画館を出た後に降っていた雨がとても色っぽかったのは「シェイプ・オブ・ウォーター」の時だったなと思い出しながら映画館へ。数ヶ月前から観たいリストに入れていた「死刑にいたる病」を鑑賞した。
冒頭から不穏、不穏、不穏。残酷に残酷が重なるわけだけれど、映像の質感がやっぱりかっこ良くて魅了されてしまう。特にグッときたのは刑務所の面会のシーンで。面会に来た側の雅也が、ドアノブをガチャっと回して恐る恐る開け、静かに入り、座る。あたキョロっと見渡してから手にグッと力がこもる。という一連の流れによって緊張感を共有できる所。他の映画ではそういう丁寧さを見た事が無く、こういうこだわりは良いなあ、と思う。それから何度か面会を重ねるうちに、ガラスの仕切りに連続殺人犯の榛村と雅也の像が重なっていく…という描写も印象的。台詞にはないメッセージがあちこち詰まっていて、そこを感じ取っていく快感のようなものはあれど、テーマは重くやっぱり重たくなって一駅歩いて帰る。
いい風が吹いていたのと苦い気持ちになったのでローソンでビールを買って帰って赤星。この気持ちを一度放らないと、と思ってポッドキャストを聴きながら眠った。

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