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11月1日の日記 神話受容史から二次創作を考える

・昨日は退職日だったので、なんと花束をもらった。何にも知らされてなかったので結構びっくりし、喜んだ。人から花束もらったのって記憶にある限り初めてだ。帰って大きめの花瓶に活けてみた。いいな。(写真を載せようと思ったけどいい感じの写真が撮れなかった)

・普段自分で花を買うときは同じ種類のものを何本かと選択することが多い。花束になると種類の多さからか、数段華やかだ。すごい。

・見たところ、白いリシアンサスとミニバラが選ばれているらしい。リシアンサスのフチがちょっとだけピンクなのが、大輪にキュートさをプラスしている。

・このリシアンサスの茎、記憶よりも細い。鉛筆の芯よりもひとまわり小さいくらいだ。こんなんだったっけ。


・新しい職場に来た。めちゃくちゃちゃんとしてる。全然知らなかったけど国内でも業界トップクラス並みらしい。見せられるスライドが船舶や原子力関連製品を作るときなぐらい、意識も高い。

・空気読めないマン兼ちゃんとしないと死ぬマンの私にはめちゃくちゃいいかも……と思った。ちゃんとしてることが人の助けになる仕事っていいな。いいかも。マジで全く何も考えずに入った職場だったので運があってよかった。

・まだよく分からないなーってこともあるし、スライドをずっと見て肩凝りが始まってるのは心配だけど、なんか上手くやっていけそう。うれしいな。


・鵼の碑、読んでる。もう200ページぐらい読んでるんだけど一切何も始まってない。すごい。いつ何が起こるんだろう。

・中禅寺くんと関口くんが同じ宿で寝泊まりしているのにバラバラに行動してる、って新鮮だ。

・この前姑獲鳥の夏を読み返していたので、知らん人とお話してる関口くんにちょっと感動した。17年の歳月を経て元気になったのかい関口くん……。


・神話受容史第六回で、映画『トロイ』について講義を受けた。この映画はイリアスという神話を歴史として作り直しているという。歴史、つまり神々や精霊のが実体を持たない物語として合理化したかたち。

・ふと、ギリシャ神話に限らずともこういうことはあるよなと思った。

・漫画やアニメで「碧棺左馬刻はヤクザです」と出される。それを、我々の世界に生きている「ヤクザ」と直接的に結び付ける視聴者はあまり多くないだろう。なぜならばさまときさんは若頭という役職には不相応なほど若いし、薬物も扱っていないから。

・では彼はどうやって生活費を得ているのか?ひとりの視聴者は「脚本の人そこまで考えてないよ」と言う。それでは疑問が解消されない。「どうなっているのか」。宙に浮いたままだ。

・そこで、またある人が「ヒプノシスマイクの世界は戦後ということもあり暴対法が施行されておらず、令和の世ほどヤクザへの締めつけが厳しくないから金稼ぎの手段が他にもたくさんある」とひとつの仮説を出す。原作にはどこにも書かれていない世界設定を作ることで、原作の描写に説明を付ける。

・これは合理化だ。

・原作至上主義の人は、原作との描写の乖離を指摘するだろう。頭を掻きむしって嫌がっているかもしれない。だが、合理化によって原作の疑問を解決することができた。

・二次創作の定義については数え切れないくらい論争が起きている。曰く、行間。曰く妄想。曰くフィルター。そういう考え方もあるけど、個人的にはあんまりしっくり来ない。私はそういうつもりで二次創作をしていない。

・イリアスを歴史ものとして描き直したように、ツイステをヒプマイをある一種のジャンルとして描き直す。たとえばミステリ、たとえば少女漫画。新たに描き直されたことによって、新たな理解が生まれるんじゃないだろうか。

・二次創作は、「受容」なのではないだろうか。


・映画『トロイ』に対して、大雑把にいって三種の受容者(研究者、クリエイター、一般大衆)がいたそうだ。二次創作でも同じことが言える。

・原作との違いを考えずにはおれない人、演出方法や描写方法に注意が向く人、特に気にならない人。ツイッターのオタクたちは「捏造」に厳しければ厳しいほどオタク度が高いと畏敬しがちだったりするけれども、そのこだわりだけが「愛」を証明するものではないと思う。色んな人がいて、色んなものが作られ、色んな愛され方があるのが自然ではないだろうか。そのことって、そんなに許しがたいことでもないだろう。

・私にだって「このカプ書いてる人は原作読んでないよ」と思ってるカプがある。でもまあ、そういう「あり得ないカプ」を楽しんでいる人がいるのが、自然状態なのではないかな。

・と、思った。

・「もっとオタク世界で居心地良く生きられたらなあ」と思っていたところに神話受容史が来て、整理しました。うん、二次創作って結局のところ「語り直し」だよね……。どんどんやりたいよね。歌ってみたはなんぼあってもいいから。別に歌が上手くなくなって、あなたの声が好きな人はどこかにいるんだし。

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