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超短編小説「高田の場合6」

高田は柿の種のピーナッツだけ残すやつが嫌いだった

高田は履歴書を郵送で送ったとき宛名に〇〇様と会社に様をつけることを不快に感じていた

高田は昔のTVに比べて今のTV面白くないっていうやつが嫌いだった

高田はウエットティッシュ考えたやつ天才だと思っていた

高田は美容室にいくといつも頭の位置を治されグイッとやられるのにむかついていた

高田は男と女でメールの文章の書き方を変える奴が嫌いだった

高田はスーパーで自分がカゴに入れた弁当が時間差で値引きシールを貼られてるのをみるとしまったと思い恥ずかしがりながら店員にこれもお願いしますと頼んでいた

高田は公衆トイレで個室からブリッブリっと音が聴こえてくると吐きそうになっていた

高田はうんこしたあと自分がしたうんこを確認したくて振り向いて見ようとしていた

高田はみんな食べるもの違うのにうんこの臭さってあんまり変わらないことを不思議がっていた

高田は芸能人がSNSで子供の頃のかわいい自分の写真を載せるのを気持ち悪いなと思っていた

高田は芸能人がすっぴんの写真載せるのも気持ち悪いなと思っていた

高田はスーパー銭湯で入浴中にスタッフのおばさんが入ってくるとなんで女湯にはスタッフのおっさんは入れないんだろう差別じゃないかと思っていた

高田はスーパー銭湯でトイレの近くに通ると、誰かのおしっこが床に付着してて踏んでしまうんじゃないかと不安になっていた

高田はロッカーに荷物預けて暗証番号を入力して鍵をロックするとき間違えて違う番号でロックしてないか不安になっていた。

高田はあの美女タレントは今?みたいな番組を見てるとめちゃくちゃ転落してる人は出ないから ある程度落ち目じゃないと自分でわかってて出演快諾してるんだろうなと思ってた

高田は弁当を注文して待ってるとき店員が厨房で喋ってる声を聞いてると
つばが料理に入らないかひどく不安になっていた。

高田はYouTubeのコメント欄で元彼に教えてもらって好きになった曲
懐かしいよく聴いてたわ~とか書く女が嫌いだった

高田はYouTubeのコメント欄で
2023年になっても聴いてるやついる?とか書くやつが嫌いだった  
 

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